お客さまのリクエストから生まれた最高級○○
――機内販売で人気があるのは、どんなアイテムですか?
珍しいものでは、国際線で販売している「極上八角鶴箸」(14,000円)ですね。この頃、お客さまからも乗務員からも「和のアイテムがほしい」というリクエストが増えました。今、日本航空が「伝統、革新、日本の心」を大切にしていることもあり、「それなら職人技が生きたメイド・イン・ジャパンのアイテムを作りたい」と考えたんです。
機内誌の「スカイビスポーク」というコーナーにご登場いただいている小山薫堂さんが、「先端が極細で、カレーうどんを食べたとき、つまみやすさに感動した」と、おっしゃっていたのを聞き、 私も実際に使ってみたら、もうこの箸以外では食べたくないと思うほど惚れ込んでしまいました。それで職人さんにお願いしてオリジナルの箸を作ってもらいました 。
新潟の職人が黒檀から1本1本削り出して作る箸は、日本航空のシンボルカラーの赤と、飛行機の窓をモチーフにした銀の象眼(ぞうがん)細工がポイント。先端が細く、貝割れ大根のような細かいものからすべりやすいうどんまでさっとつまめる。 |
――自分の足で商品を探すこともあるんですね
はい。普段デパートなどで買い物をしていて、「これ、かわいい!」というものを見つけると、機内販売に採用できないか検討しています。また、同僚の乗務員から、「お客さまから『こんなものはないの?』と聞かれた」などの情報をもらってリサーチすることもあります。それに、乗務員の経験を生かして、一から商品作りをしたこともあります。
――どんな商品を作ったのですか?
例えば、この「フード付きエアーマクラ」(4,000円)は、私自身の悩みから生まれたものです。私は機内で寝るのがすごく苦手なのですが、アイマスクをすると真っ暗で怖いので、いつもパーカーのフードをかぶって寝ていました。でも、フードが小さい服も意外に多いので、うまく目元をカバーするにはどうしたらいいだろう……と思ったときにブランド共に企画した商品。実際に作ったら、「コンパクトだし、洗えるのも便利」と、お客さまと乗務員仲間が大喜びしてくれました。