飛行機の中にいながら化粧品やアクセサリー、バッグなど、さまざまな商品が選べて、すぐに手に入る機内販売は、デパートで買い物するような"選ぶ楽しさ"と、通信販売の手軽さを合体させたようなかなり贅沢なサービス。その機内販売の商品企画をしているのが実は客室乗務員(キャビン・アテンダント)さんと聞き、実態を確かめるべく日本航空を訪ねた。

話をしてくれたのは、客室乗務員の菅野伊佐美さん。大学卒業後、大学教授や大手企業の役員秘書を経て、2001年に既卒採用で日本航空に入社。2013年4月から機内販売の商品企画や、機内販売誌『JAL SHOP』の制作に携わっている。

日本航空 客室乗務員 菅野伊佐美さん

空の上のセレクトショップ

日本航空では、1960年代半ばに国際線で免税品の販売をスタート。国内線で始まったのは意外に遅く、94年4月にTシャツとキャップのセット、革製ハンドバッグの2品目から始まったという。

――現在の機内販売ではどんな商品を扱っていますか?

国内線で20品目、国際線で125品目を販売しています。化粧品から最新ブランドのファッション小物など、幅広いアイテムを揃えています。売上の中でいつも上位にあるのが化粧品です。女性はご自身のために買われますし、男性が奥さまへのお土産になさることも多いですよ。

――機内販売では、どういった流れで買い物するのが一般的なのでしょうか?

飛行機の座席のポケットに入っている機内販売誌を見て商品を選び、乗務員にご注文いただくシステムです。機内に準備しているアイテム数には限りがありますので、完売してしまうこともあるんですけど……。

――あとでご自宅にお届けするのはNGなんですね

残念ですが、そうなんです。とくに国際線は免税の関係で、機内で精算、お渡しまでしなければならない決まりになっています。国内線で旅慣れた方などは、搭乗されてから席に着くまでの間に、「○番の席に、○○の化粧品を何セット」と、注文を済まされてしまう方もいらっしゃいますよ。ご旅行帰りのフライトで「行きは売り切れだったから、急いで注文したの。買えてよかったわ」とおっしゃる方もいます。仲間の乗務員から、そうやってお買い物してくださった方がいたと聞くと、すごくうれしいですね。

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