TVを見ない「すべてスマホですませる」ユーザーにアピール

最後に、エプソン販売の蟹澤部長が販売戦略を述べた。ホームシアタープロジェクターで大きく伸びているのが、EH-TW5200に代表されるフルHD対応の低価格機だ。これによってホームシアタープロジェクター市場が回復し、さらに拡大、開拓された。

【左】エプソン販売 VP MD 部長 蟹澤啓明氏 【右】ホームシアタープロジェクター市場で顕著なのが1080p(フルHD)低価格機。前モデルのEH-TW5200がこの部分にフィットし、市場のけん引役となった

エプソンは単に販売数を伸ばすだけでなく、市場をさらに活性化させるための施策を行っており、今後も継続していく。一例としては、体験イベントやレンタルサービスがあり、新製品の展示店舗も100以上におよぶ。レンタルサービスに関しては、週末を含めた4日間のレンタルを6,000円で行っているが、レンタル利用者の実に35%が製品を購入するにいたっている。

EH-TW5200が売れた大きな理由は「ハイコストパフォーマンス」としているが、近年の市場動向はスマートフォンやタブレットに寄っていると分析。新モデルのEH-TW5350に無線LAN機能を標準搭載したのは、スマートフォンやタブレット(もちろんパソコンも含む)からのワイヤレス接続を標準機能にして、スマホユーザーにアピールする意図があるようだ。

市場の活性化策として、体験イベントやレンタルサービスを実施。実機の展示はシアタールームを用意できない店舗でも行っているという

前モデルのEH-TW5200が売れた理由は、高いコストパフォーマンスにあると分析

参考とはしていたものの、家庭でプロジェクターに接続するものとして、パソコン、スマートフォン、タブレットが大幅に増えている

若い人ほど「全部スマホですませる」傾向があり、映画やドラマも、TVではなくスマホで見る人が多い

こうした状況から、ホームシアター用途と、スマートフォンやタブレットを簡単に接続できる点をアピールしていく

価格はオープンながら、ダイレクトショップ価格は10万円をやや超える。EH-TW5350Sは80インチのスクリーンとセットのモデルだ

目標販売数は2014年の市場販売数より多く、業界全体としての販売数が加速すると強気の予測

新製品となるEH-TW5350。前モデルとの見た目の差は投影部のゴールドリング

EH-TW5350の背面。映像入力は、D-Sub(15pin)、HDMI×2基(うち1基はMHL対応)、コンポジット入力だ。これに無線LANの接続が加わる(WiDi/Miracast)

発表会の後は、別室で実機投影デモが行われた。2Dと3Dの映画に加えて、タブレットからの無線LAN接続で斜めから投影してるエリアがあったが、EH-TW5350の補正機能で画面の歪みが良好に補正されていた。

実際の体験会に関しては、東京都世田谷区の二子玉川ライズにて、10月30日~同年11月3日で開催予定だ。詳細は後日、エプソンのWebサイトで掲載予定となっている。

レンタルサービスの対象モデルにも、EH-TW5350Sが加わる。8月27日から受け付けを開始し、9月5日からの貸出予定だ。新製品をいち早く自宅で確認したい人は、エプソンのWebサイトを確認するとよいだろう。

会場には、1080p(フルHD)対応のシリーズ製品も参考展示。左上がEH-TW6600、右上がEH-TW8200、左下がEH-LS10000