――ロボット事業への参入も明らかにしていますが。
もともと長野の拠点では、AIBO(編注:ソニーが1999年に発売した犬型ロボット。2006年に生産終了、2014年にサポートが終了した)の生産を行っていた経緯もあり、これまでにも受託でロボット生産を行っていました。たとえば、富士ソフトのPalmi(パルミー)は、当社が受託して生産しているものです。
いま、ロボットの受託事業に関するお話をずいぶんいただいています。玩具領域のものもあれば、業務領域で活用するものもあります。VAIOが持つ実装技術、放熱技術によって実現するZ Engineが、こうしたロボットの設計、開発を支えています。
さらに、新規事業については、IoT関連事業、ゲーム関連事業、ファクトリーオートメーション(FA)関連事業にも取り組んでいきたいと考えています。2年後の2017年度にはPC事業の収益と、新規事業の収益を1対1にしたいと考えています。
――社長就任後から、かなりスタートダッシュをかけていますね。
やらなくてはならないことは早くやった方がいいですからね(笑)。いままでは、先に見えるものを社員に示せていなかったという部分ありました。ですから、これを示すことを優先しました。振り返ってみると、就任後から、ほとんど休んでいませんね(笑)。
――VAIOの強みはどこにあると考えていますか。
ひとつは、VAIOというブランドを持つ点。しかも、根強いVAIOファンがいる。そして、そのブランドが、設計技術、生産技術などの技術によって裏付けられている点も大きな強みです。それを活用していきたい。VAIOは世界に通用するブランドですし、日本の高度な技術を生かして製品を作る、日本の代表選手。ソニーがVAIOを手放したことには驚きましたが、いま、社長として、VAIOの事業を成長させるためのチャンスをもらった。もう一度、「世界のVAIO」に輝かせたいと思っています。