最新モデルは「やわらかめ」が増えている?
「最新モデルは、全体的にちょっとやわらかめにシフトしてきているのでは」という指摘を何人かが出していた。実際、東芝と三菱以外はごく普通の手順で炊くと、ご飯がやわらかめになる印象だ。これはメーカーに限らず、炊飯器全体の傾向といえるかもしれない。
デザイン面では、高級感を醸し出すような、洗練されたものが多く、炊飯器の「見た目」にもこだわりを持つ消費者が増えていることをうかがわせる。
製品によっては、米の銘柄を選んで炊き分けてくれたり、自分好みの炊き方にカスタマイズできたりという機能も。昔ながらの「お水の量や加熱時間で調整」とはちがった炊き方ができるのも興味深い。
また、各社とも小容量タイプに力を入れてきているのも昨今の特徴といえる。今回は日立アプライアンスのおひつ御膳のみを取り上げたが、参加者からは小容量タイプの炊き比べを希望する声も挙がっていた。
電気で炊く炊飯器の1番のメリットは「誰が使っても、安定しておいしく炊ける」ことにある。それが"高級"炊飯器ともなると、「誰でもおいしく炊けて当たり前」というイメージになる。しかし、実際に食べ比べると、ご飯の風味や歯ごたえにハッキリとちがいが出てくるのがおもしろい。人によって好みに差があり、「自分はこっちのほうが好き」と分かるのだ。
一般の消費者が炊飯器の炊き比べをできる機会はなかなかないと思うが、2種類でも3種類でも食べ比べる機会があればぜひ試してみてほしい。難しく考えることはなく、「自分はかためのご飯のほうがおいしいと感じた」「ご飯の香りって、炊飯器によってこんなにちがうんだ」といった感想が抱ければ上出来だ。自分がどんなご飯をよりおいしいと思うか、客観的に把握できれば、自分好みのベストな製品はぐっと探しやすくなる。