時代がストッパーをかけていたiモード
ドコモのiモードが登場したのは、実に1999年のことだった。これが世界初のインターネット接続が可能な携帯電話だ。
この1999年という時代は、ネットの初期であり過ぎた。何しろ、世界的にブレークするWindowsであるWindows 3.1やWindows 95の登場から数年が経過したに過ぎない。特にWindows 95はインターネットの発展の一助となったと言えるOSだ。
まだまだ世界はiモードに最適化されたサイトを作るような時代ではなかった。現在でこそスマホ向けサイトがあるが、当時はそんな時代ではなかったため、閲覧できるサイトはiモード独自サイトになった。時代のせいで、ガラケーはインターネット世界にバリヤーを持ってしまった。
このバリヤーは通信速度、通信料金、画面サイズ、解像度などがからみあって構成されたもので、今、考えれば「時代だなあ」という感じで、無理もないことだ。
ちなみにiモードのパケット定額サービス「パケ・ホーダイ」が開始されたのは2004年のことだった。しかも、すべてのFOMA料金プランで使えるようになったのは2006年。まさに、iPhoneの足音が聞こえてくるタイミングだ。
この時期、世界が、そして、時代が気軽にネットアクセスできるパーソナルデバイスに向けて動いていたのだろう。そのなかで、iモードは極めて先進的なデバイスであったと思う。通信機能に限らずとも、「Felica」のような電子マネーシステムは世界的にも非常に先進的だった。
しかし、結果的にiモードがiPhoneを迎撃することはできなかった。そして、iPhoneの成功を横目で見ながら、ドコモはそれをAndroid端末で迎え撃とうとする。ガラケーは放置プレイとなった。ドコモがガラケーをチューンしようと考えなかったのは残念だ。