Apple Watch普及でiPhoneのバッテリー問題が消える?

デザインとディスプレイ、バッテリー搭載量とソフトウェア。実際のバッテリー利用についてはせめぎ合いが続いている。スマートフォンだけでこの問題を解決するには、より省電力なプロセッサ・通信チップ・ディスプレイと、搭載するバッテリーの性能が大きく変化するのを待つ必要がありそうだ。

しかしAppleは、意外な方法で、このバッテリー問題を緩和することに成功している。それがApple Watchだ。

Apple Watchそのものも、バッテリー問題を抱えているデバイスの1つだ。たしかに、「時計なのに1日しかバッテリーが持たないなんて」という批判は筆者も感じるところだ。実際に42mmモデルを使っていて、1日半は充電しなくても良いことがわかり、「ありがたい」と感じているが、そもそものハードルを低く設定しすぎであることに気づくと、冷静に「毎日充電しなければならない時計」という存在に悩むことになる。

Apple Watchは、iPhoneを持っていなくても、時間を確認したり、Siriで検索したり、iPhoneに届く通知を手首だけで知ることができる。

見方を変えれば、大きなスクリーンを点灯させてiPhoneのバッテリーを奪う必要がない作業を、Apple Watchに任せてしまおうとしているように映る。前述の通り、ディスプレイが光らない仕事は、iPhoneも十分に電力を使わずこなすことができる。

もちろん使う人のスタイルや加減にもよるが、Appleとしては、多くの場合Apple WatchとiPhoneの併用によって、組み合わせ全体のバッテリー持続時間を大きく延ばすことができると考えているのではないだろうか。

Apple Watchでは、グランスから省電力モードに移行できる。作業に集中したいときなどにも有効