9月のiPhone登場時に、リリースされるとみられる最新OS「iOS 9」。2015年6月のWWDC15で披露され、現在は開発者向けに加えてパブリックプレビュー版が公開されている。6月30日のApple Music開始に伴って公開されたiOS 8.4と比べて、安定性が劣る部分もあるため、メインのiPhoneにはまだ導入しない方が良い、というのが一般的なベータ版に対する評価だ。今回から、iOS 9について、期待されるiPhoneの変化について考えていこう。

スマートフォン最大の関心事「バッテリー」

さて、スマートフォンは既に我々の生活になくてはならない存在になったが、決定的に不足してきた性能が、バッテリー持続時間だった。

日本では通勤や通学の時間が長く、早くからスマートフォンが主たるネット端末となっていたこと、震災などで充電しにくい環境を経験したこともあり、モバイルバッテリー市場が活況だ。

iPhone 6のカタログでは、待受時間が最大250時間、3Gの連続通話は最大14時間、インターネット利用は3G/4Gで最大10時間、Wi-Fiで11時間、HDビデオ再生11時間、オーディオ再生50時間となっている。

一方、画面の大きなiPhone 6 Plusは、待受時間が最大384時間、通話は24時間、インターネット利用は12時間、オーディオ再生は80時間と、iPhone 6と比較して画面を表示させない機能は大幅に利用時間が伸びている。

このことからもわかる通り、画面の大きなスマートフォンはたくさんのバッテリーを搭載できる反面、表示により電力を消費する。加えて通信、とくにモバイル通信を利用する部分は、バッテリー消費が大きくなる。

iPhoneがなるべくWi-Fiを拾って通信しようとするのは、データ通信量やデータ速度で有利であることもあるが、バッテリーの観点からすれば、そちらの方がバッテリー消費が少なく済むからだ。

ただカタログの数字上、iPhone 6では4GとWi-Fiで1時間の違いがあるが、iPhone 6 Plusでは同じ12時間と差がなくなってしまっている。通信チップの進化も進んでおり、モバイル通信のバッテリー効率が上がったのだが、iPhoneの場合は薄型化も推し進めており、これがバッテリー搭載量の減少を引き起こしている。

iPhoneの連続使用時間。左からiPhone 6 Plus、iPhone 6、iPhone 5s