続いて、総合系ベンチマークの結果を見てみよう。Windowsシステム評価ツールの結果については下表のとおりだ。

グラフィックス関連のスコアがそれほど高くはないが、これはCPU内蔵のIntel HD Graphics 5500を使っているため。内蔵GPU(iGPU)としては妥当なスコアだ。グラフィックス以外の項目では、かなり高めの結果が出ている。

Windowsエクスペリエンスインデックス(WinSAT.exe)

CpuScore(プロセッサ) 7.4
MemoryScore(メモリ) 7.9
GraphicsScore(グラフィックス) 5.9
GamingScore(ゲーム用グラフィックス) 5.9
DiskScore(プライマリハードディスク) 8.7

試用機の「Windowsシステム評価ツール(WinSAT.exe)」の結果

「PCMark 8」では、各テストともにそれなりに高い結果が出ている。ただ、以前に試用したCore i3搭載モデルと比べると、スコアがそれほど変わっていない点がやや気になる。ベンチマーク結果のグラフを見ると、今回使った試用機では温度上昇によって動作周波数がわずかに落ちている部分が見られるので、一時的にクロックダウンしているのかもしれない。これがPC自体の発熱によるものなのか、それとも室温が影響しているのかまでは判断できなかったが、なるべく涼しい場所で使ったほうが高いパフォーマンスを得られる可能性がある。

日常的な作業の快適さを計測する「PCMark 8」の「Home conventional 3.0」の総合スコアは「2660」

ゲームやクリエイティブ系ソフトの快適さを計測する「Creative conventional 3.0」の総合スコアは「2597」

文書作成やビデオチャットなどビジネス関連の作業における性能を計測する「Work conventional 2.0」の総合スコアは「3063」

以前のレビューで使ったCore i3+4GBメモリ+128GB SSD(SATA)搭載機との違い

「PassMark PerformanceTest 8.0」のベンチマーク結果は下表のとおり。モバイルノートPCとしては、十分高いスコアであると言っていい。

「PassMark PerformanceTest 8.0」ベンチマーク結果

PassMark Rating 2371.2
CPU Mark 4483
2D Graphics Mark 602
3D Graphics Mark 594
Memory Mark 2042
Disk Mark 7683

PCの総合スコアである「PassMark Rating」は「2371.2」

ストレージ性能を表わす「DiskMark」のスコアは飛び抜けて高い

Core i5+256GB PCIe SSDの組み合わせがバランス◎

Core i7と8GBメモリを搭載した「VAIO Pro 13 | mk2」はそれなりに優れたベンチマーク結果となったのだが、以前の記事で検証したCore i3+4GBメモリの最小構成と比べ、各パーツの単体スコアはかなり向上しているものの、総合スコアが大きく上回るというわけではなかった。実際のところ、ネットでの調べ物やオフィスを使った文書作成程度なら最小構成でも十分なパワーを持っている。多くに人にとっては、CPUはCore i3でも十分だろう。

だがイザというとき――たとえばサイズの大きい画像や、膨大なデータを記録した複数のエクセル文書を扱うときなど――Core i3と4GBメモリの組み合わせでは馬力が足りない場面があるかもしれない。そんなときに備えるという意味で、上位のCPUを選ぶ手はある。Core i7-5500UよりもCore i5-5200Uを選んだほうがコストパフォーマンスは高いが、少しでも高速化したいというのであれば、CPUにCore i7-5500Uを選びたい。

ストレージについてはSATA接続よりも高速なPCI Express x4接続のSSDを選んでおきたい。ファイル操作だけでなく、システムやアプリの起動なども高速化されるからだ。またSSDは容量が大きいほどアクセス速度が高速になる特徴もあるので、できれば256GB以上、予算が許すなら512GBを選ぶといい。自分の利用シーンを考えた上で、最適なパーツ構成に調整すると良いだろう。

製品名 VAIO Pro 13 | mk2 VJP1321(カスタマイズモデル)
CPU Intel Core i7-5500U(2.40GHz)/Intel Core i5-5200U(2.20GHz)/Intel Core i3-5005U(2GHz)
メモリ 8GB/4GB
ストレージ 128/256/512GB PCIe SSD、128/256/512GB SATA3 SSD
光学ドライブ
グラフィックス Intel Iris Graphics 5500(CPU内蔵)
ディスプレイ 13.3型ワイド(1,920×1,080ドット、グレア/低反射)
ネットワーク 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T対応有線LAN×1、IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 4.0
インタフェース USB 3.0×3、HDMI×1、D-Sub×1など
メモリースロット SD/SDHC/SDXCカードスロット
サイズ/重量 W322×D216.5×H13.2~17.9mm/約1.03kg(タッチなし)、W322×H14.3~18.9mm×D217.1mm/約1.16kg(タッチあり)
OS Windows 8.1/8.1 Pro Update 64bit/Windows 7 Professional SP1 32bitもしくは64bit(Windows 8.1 Proからのダウングレード)
最小構成価格 税別109,800円~