iPhone 3G見送りの理由も……

2008年7月に登場した「iPhone 3G」は、日本で初めて発売される本格的なスマートフォンとして大いに話題となったし、その後の日本でのスマートフォン普及を促進した立役者と言っていいだろう。もちろん筆者も大いに興味を持ったが、購入には至らなかった。それはもちろん、おサイフケータイ非対応だからだ。これは、iPhoneだけに当てはまることではない。Androidスマートフォンも、2009年7月にNTTドコモから「HT-03A」が登場し、それ以降様々な製品が発売されたが、それらもおサイフケータイに対応しないため、購入に至ることはなかった。

もちろん、フィーチャーフォンとスマートフォンの2台持ちも考えた。ただ、おサイフケータイによって財布を取り出す頻度が減って便利になったのに、携帯端末2台持ちでそれらを持ちかえて使うというのは、おサイフケータイ使用前の不便さに戻るのとほぼ変わらないわけで、それはないと考えて見送ったわけだ。

その後、スマートフォンを購入する知人や友人の姿を見つつ、「おサイフケータイ対応じゃないから」と言い張って(正確には自分に言い聞かせて)いたが、やはり羨ましかったのは事実。そして、ついにおサイフケータイ対応となる初のスマートフォンとして登場したIS03を、満を持して購入したというわけだ。

安定して使えるという意味ではiPhone優位

これまでにAndroidスマートフォンを使ってきた人ならわかると思うが、過去の製品ではスペックと快適さが両立しない場合が少なくなかった。そして、Androidスマートフォンではその傾向が顕著という印象がある。最近でこそかなり改善されてきているが、数年前のハイエンドスマートフォンでは、ちょっと高負荷な作業をさせるとCPUの発熱で本体が熱くなり動作が不安定になったり、バッテリー消費が激しく半日もバッテリーが持たないということも少なくなかった。実際に筆者もそういったスマートフォンを過去に使ったことがあるが、1日に何度も再起動したり、出掛ける時にはモバイルバッテリーが不可欠だったりと、とにかく不便きわまりなかった。

また、IS03も、お世辞にも安定して使える端末と言えるものではなく、フリーズしたかのように動作が固まることがよくあった。それでも、おサイフケータイが使えるからということで我慢して使った。その1年後に新機種に機種変更したが、それでも不安定さは解消されなかった。それでも、ここ1~2年ほどは動作も安定し、1日以上バッテリーが持つ製品も多数を占めるようになったことで、そういった懸念は解消されている。

iPhoneに関しても、数年前の製品ではバッテリー駆動時間があまり長くなく、外出時にはモバイルバッテリーが不可欠だったように思う。しかし、動作が不安定で使い物にならないという声は、Androidスマートフォンに比べて圧倒的に少なかったと記憶している。また、簡単かつ画質に優れるカメラ機能も大きな魅力で、”快適に使える”という意味では、AndroidスマートフォンよりもiPhoneの方が優れると感じる部分も多い。そういった意味で、Androidスマートフォンを捨ててiPhoneに乗り換えたいと考えることがあったのも事実で、やはりiPhoneの完成度は群を抜いていると感じる。