作業空間が広く、作業のしやすい内部構成

P100はグラフィックボードなら最大317mm、CPUクーラーは高さ最大170mmまでのものまで収容できるキャパシティを誇るが、一番の強みはマザーボード上端と天井の高さが他社のエントリーモデルに比べ広めに確保されている点だろう。この点については後ほど説明するが、作業空間は広く、余裕をもって組み込み作業を行える。

P280では存在していた2.5インチ専用ベイがP100では削除されてしまったが、7基の3.5インチシャドウベイすべてで2.5インチドライブも固定できるため、ドライブ構成でそう困ることはないはずだ。

3.5インチ用シャドウベイのトレー。HDDの振動をシャーシに伝えにくくするためのゴム製足が4つ見える。2.5インチドライブの固定用にも使えるので、ベイ構成の自由度は高い

HDDを固定したところ。ドライブのケーブルはケース右手側から接続するため、コネクタ面が着脱用の取っ手と逆側になるよう取り付ける

HDDをトレーに固定すると、ゴム足が適度に潰れるようになっている

大きなCPUカットアウトの上にEPS12V等のケースを裏面から通すための穴が2つ、大きめに確保されている点に注目。5インチベイを2基に減らし、フロント側のほとんどの空間を3.5インチシャドウベイに割り当てている

裏側から見たところ。裏配線用のスペースは約20mmと十分確保されている

内部のピンヘッダ用ケーブル。フロントパネルから最も遠くなりがちなHDオーディオのケーブルだけ少し長めであるとか、フロントのUSB3.0端子は2.0のピンヘッダにも接続できるよう設計されているなど、細やかな配慮が嬉しい

フロントパネルから出るケーブルの束はそのまま引きだすとだらしなく見えるのは残念。裏配線用のゴムカバー付き穴か、さらにその上に見える小さな穴を通して裏から配線するとよいだろう

大型水冷との相性も抜群

P100はフロントとリアに120mmファンをそれぞれ1基ずつ標準で搭載する。Antec製PCケースではおなじみの回転数をLow(700回転±10%)とHigh(1100回転±10%)に切り替えられる簡易ファンコン付きものだ。

ケースファンはフロント&リアに120mmを1基ずつ装備

スイッチはケース内に放置されるため、ケースを閉じる前にセッティングを決めておく必要がある

イマドキのCPUやグラフィックボードなら、P100のファン構成のままでも十分冷えそうだ。しかしTDP高めなCPUをオーバークロックして使いたいとか、マルチGPU構成をしたい人は冷却力を強化できるかが気になるところ。こういう場合に備え、天井やフロントに120mmまたは140mmファンを最大2基装着できるようになっている。

天井には120mmまたは140mmファンを2基固定できる穴があるが、出荷時は目隠し板で塞がっている

これならハイパワーな構成にも十分対応できるはずだ。特に天井とマザーボード上端の隙間が狭いと肉厚の水冷ユニット(ラジエーター)が装着できなかったりするが、P100の場合厚み60mm弱の水冷ユニットを天井に固定してもまだ余裕があるのがうれしい。

長さ240mm、厚み57mm(ラジエーター32mm+ファン25mm)の水冷ユニット(RAIJINTEK「TRITON」のもの)固定してみたが、マザーボード上端に大きめのヒートシンクがあるマザーボードでも、全く問題なく装着できた

厚みのあるラジエーターを装着しても、ファン下端とヒートシンク上端の間には指1本分空いている