【今回のレシピ】
- 使いやすいスタイラスを検討する
- 手書きのスケッチアプリを検討する
- できあがったスケッチのデータの取り回しを考える
使いやすいスタイラスとは?
書きやすいシャープペン。これは小学生から大学生のころまで、とにかく色々店頭で試し、しっくりくるものを買って長く使っていました。結果的には、生意気にも、製図用で軽いシャープペンと、2Bという柔らかい芯を使うと、手が疲れないことを発見しました。
デジタルの世界ではどうでしょう。使い心地が良いのは、iPhoneを発表する際にペンでのスマホ操作を否定したAppleではなく、サムスンのGALAXY S Noteシリーズに付属するSペンや、マイクロソフトのSurfaceに付属してくるペンでしょう。とはいえ本連載はMacとiPadがテーマですので、偉大なる先人の言葉を若干残念に思いつつ、iPadで利用できるペンを探していくことにします。本家が作らなくても、サードパーティが作る。Appleにまつわるエコシステムは、こうして鍛えられているのかもしれません。
使いやすいスタイラスも2種類あります。1つは、オーソドックスに、ペンのバランスとタッチの反応、快適なガラス面での滑りを追究するアナログタイプ、そして電池を内蔵してBluetoothでiPadに接続し、アプリと通信するタイプです。シンプルなのは前者で、より軽く作ったり、特殊な布をタッチ部分に使って確実な反応を確保したり、通常のボールペンやシャープペンシルに内蔵するタイプのものまで充実しています。
個人的に気に入っているのは、タブレットやスマートフォン向けに手書きのドキュメント作成・共有アプリを手がけるMetaMoJiがリリースした初代の「SuPen」です。数世代進化を続けていますが、手元にある初代SuPenは、軽いのに精密でキャップを外す音がその密閉性を物語ります。また、滑り心地の良い反応の良いペン先を開発しており、文房具らしいモノとしての楽しみも、機能としても充実しています。
また、最近筆箱に仲間入りしたのが「Rotring 800+」です。ドイツの製図メーカーで定評のあるシャープペンシルですが、ペン先を収納した際、軸の先端がスタイラスとなり、1本で紙でもiPadでも利用できます。多くのハイブリッドペンは、片方の先端がシャープペンやボールペン、逆の先端がスタイラスという仕組みになっていますが、Rotring 800+は同じ先端で使い分けられるのはユニークです。グリップやペンのバランスをそのまま利用できるというメリットは、プロの道具らしいこだわりと言えるでしょう。
Jot Script Evernote Edition。Bluetooth接続式の場合、タブレットの画面に手首をついて書いても、ペン先以外は反応しないようにする仕組みを利用する事ができるため、アナログ式のペンよりも快適に使える。充電の問題も新モデルでは解決しているはずだ |
主力はこの2本。Bluetooth内蔵のペンも「Evernote」のロゴが入った「Jot Script Evernote Edition」で使ってきましたが、アプリとの接続がどうも不安定に感じる点と、電池式で使いたいときに電池が切れているという経験を何度かして、ペンケースのメンバーから外れました。ちなみに、新作となる「Jot Script 2」が登場しており、こちらはUSBでチャージできるリチウムイオン電池に変わったため、デスクや出先での充電にも対応できるようになりました。この問題解決は、後々、非常に大きな魅力を放つことになるでしょう。