新たなロゴの決定において、選定理由となったのは、「デジタルライフという新たな価値を提供することを示せるロゴなのか」、「NECが挑戦すること、変化していくことをコミットできるロゴなのか」という点だった。

その結果、選ばれたのが新たなロゴデザインであった。

新たなロゴデザイン

従来路線を踏襲したロゴではなく、新たなイメージを持つロゴが採用された理由もそこにある。

新たなロゴデザインのひとつは、ロゴマークである。

2つの三角形を組み合わせたダブルトライアングのデザインは、LaVieの「L」と「V」をベースにデザインしたものである。NECの「N」の文字を意識したデザインにも見えるが、デザイナーのコンセプトのなかには、それはまったく含まれていなかったという。

「シンプルなデザインだけに、どこかにありそうなデザインだが、調べてみると似たものがひとつもない。最高のロゴデザインが完成した」と、森部マネージャーは自画自賛する。

ひとつの三角形の頂点は、それぞれ「ハードウェア」、「ソフトウェア」、「サービス」という、LAVIEブランドで取り組む製品カテゴリを示し、もうひとつの三角の頂点は、「NEC」、「ユーザー」、「社会」という、LAVIEによってつながる世界を表現しているという。

実は最初のデザインでは、このロゴマークは含まれていなかった。だが、プロジェクトチームからの要望によって、デザイナーがロゴマークを組み合わせたものを追加した。このロゴマークが完成したのは、2014年10月に開催された会議のわずか数日前のことだったという。

一方、LaVieの文字を大文字としたのは、これまでのロゴからの変化を演出するという要素もあるが、直接的な大文字を採用することで、力強さとシンプルさを際立たせ、より印象深いイメージづくりを狙う意味もある。また、大文字としたことで、それぞれの文字が左右対称のような印象となり、これが洗練されたスタイリッシュなイメージをつくることにも役立った。

そして、基本色は「濃紺」。NECのブランドカラーも「青」だが、それよりも、さらに濃い色だ。サッカー日本代表や、野球日本代表「侍ジャパン」が、青を基調にしたユニフォームを採用しているように、国内最大シェアを持つNECパーソナルコンピュータが、日本を代表するPCメーカーであるという意図を、この色に込めたという。

ちなみに、時期を同じくして、親会社であるLenovoも、グローバルでのロゴデザインの変更を発表しているが、これはまったく別の動きとして進んでいたものであり、両社が足並みを揃えたものではないという。だが、両社ともに、ハードウェア、ソフトウェア、サービスといった事業を推進することを意図して、新たなロゴデサインを採用したという基本コンセプトは、偶然にも合致していた。