FreeSync対応第1弾となるLG「29UM67-P」ウルトラワイドディスプレイ
今回評価に用いるのは、LGの29型ディスプレイ「29UM67-P」だ。日本国内で販売されるモデルとして、初めてFreeSyncに対応した製品のうちの一つである。ただし、ちょっとユニークな製品で、21:9のウルトラワイド液晶となっている。
実売価格は45,000円前後で、フルHD超の液晶ディスプレイとしては、ミドルレンジ~ハイエンドの間となる価格帯だ。ただ、ゲーミング液晶ディスプレイと考えると、妥当な価格帯であるし、フルHDよりも解像度が高いぶん、別のところにも付加価値がある点でも妥当な価格と言えるかもしれない。
29UM67-Pの解像度は、2,560×1,080ドットとなる。フルHDの横1,920ドットと比べてさらにワイドである。また、横2560ドットは、1280ドット×2面分に相当し、縦1080ドットは1024ドットと同程度であるから、1280×1024ドットの液晶2面分が表示されると考えることもできる。
実際、29UM67-Pには独自ユーティリティとして画面分割ツールが付属する。これを用いると、アプリケーションを最大化した際に1,280×1,080ドット2面や、さらに分割してウィンドウを管理することができる。もちろん、ソフトウェア的に処理するので、ディスプレイケーブルは1本で大丈夫だ。
本体サイズは、スタンド付きでW703×D181×H418mm、スタンドなしでW703×D64×H329mm。高さに関しては、16:9アスペクトモデルでおよそ23型に相当する。一方で幅は27型よりもさらに幅広なので、設置場所を考えるときに注意が必要だ。また、最近の薄型ディスプレイと比べると、案外厚みがある印象だ。
外観は光沢のあるプラスチック筐体を採用していることもあり、この価格帯の製品としては安っぽく感じてしまう。指紋も目立ってしまうので、運用時は少々気を使った。スタンドもシンプルなものが組み合わされている。この点、同じシリーズで34型の上位モデル「34UM67-P」のほうが、質感では上だ。
ディスプレイ入力端子は、DisplayPort×1、HDMI×2、DVI-D×1となっている。うち、FreeSyncに対応するのはDisplayPortのみだ。電源はACアダプタを用いる。
ユニークなのはOSDメニュー用のボタンだ。スティック型のボタンで、1回押せばメニューを開き、あとは押しこめば選択、十字の操作で項目を移動、変更する。一列に並んだ個別のボタンで上下左右を移動するタイプのOSDインターフェースよりも、操作性は格段によい。
ゲーミング液晶で重要となるのがリフレッシュレートだが、本製品は56~75Hzとなっている。120~144Hzのように高いリフレッシュレートのモデルとは異なるので、FPSタイトル向けの製品とは趣が少し異なる。
本製品はゲームタイトルを、一般的なフレームレートで、FreeSyncによって滑らかに描画したいといったニーズがマッチするのだろう。なお、HDMI入力では、56~61Hzとなるので、この点も注意したい。