FreeSyncはVESA規格に準拠 - 理論上、コストの上昇が抑えられるハズ……

ディスプレイ同期技術では、NVIDIAの「G-SYNC」が先行しており、こちらはすでに対応ディスプレイの選択肢もそろいつつある。ゲーマーという特定分野、そしてそのなかでも快適さを重視するさらに特定のユーザー向けではあるが、一定の評価を得ている。また、先ごろノートPC向けにも提供が開始されことも記憶に新しい。

これに対し、FreeSyncは、便宜上「技術」と書いたが、実際にはディスプレイなどに関する業界団体「VESA」のDisplayPort 1.2規格に含まれる技術「Adaptive-Sync」を利用しており、FreeSyncを正確に説明するのであれば、同技術を用いたディスプレイの認証制度となる。つまり、「FreeSync対応ディスプレイ」であれば、「Adaptive-Sync」を問題なく利用できるという「お墨付き」のようなものだ。

FreeSyncのメリットは、G-SYNC対応ディスプレイが、NVIDIA製の専用基板を必要とするのに対し、FreeSyncはそうした特別な基板を必要としないところだ。VESA会員であればライセンス料もかからないため、理論上、製品コストがG-SYNCと比べれば抑えられる。ただし、まだ登場したてということもあり、対応ディスプレイの製品価格は、少し状況が落ち着くまでコストメリットに反映されないかもしれない。

特別な装置やライセンス料を必要としないとAMDでは説明している

さて、G-SYNCにしてもFreeSyncにしても、対応するGPUが必要になる。FreeSyncの場合は、現行Radeonシリーズのなかでもコアの世代が異なるものが混在しているので、ここを明らかにしておこう。

FreeSync対応GPUは、R9 FURY X/Radeon R9 295X2/R9 390X/R9 390/R9 380/R7 360/290X/290/285/260X/260および、APUがA10-7870K/7850K/7800/7700K、A8-7600、A6-7400Kとされている。Radeon R9 280X/280/270X/270などTahiti/Pitcain(GCN 1.0世代)は比較的新しいGPUであるがFreeSyncを利用できない。FreeSyncを検討している方は、GPUについても要確認だ。

これは少し前の資料なのでRadeon R9/7 300シリーズは記載されていないことに注意してほしいが、製品グレードというよりはGPUコアの設計が新しいかどうかで対応状況が異なる。同じRx 300/200シリーズの中でFreeSyncが使えたり、使えなかったりするのはユーザーからみると分かりにくさを感じる