米Appleは8日(米国時間)開発者向け会議「WWDC15」を開催し、基調講演を行った。発表されたのはOS X、iOS、watchOSという3つのOSの最新版についてで、そのほか久しぶりに「One More Thing」として定額制音楽サービスを発表した。今回の発表会、日々、モバイルニュースを追っているライターの目にはどう映ったのか。ライターの小山安博氏に記してもらった。
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今回のAppleの発表は、ひと言で言えば「堅実」、というのが感想だ。以下、発表内容とともに所感を記していく。
多数のアプリが強化された「iOS 9」
iOSはiOS 9へとバージョンアップする。Siriは、ユーザーの行動を予測するProactive Assistant機能を搭載。サーチAPIが提供されることで、アプリ内の情報も検索できるようになり、ディープリンクによって検索してアプリのページに移動する、といったことが可能になった。このあたりはGoogle Nowも同等の機能を備えている。
Proactive Assistantによって、Siriが先回りしてユーザーの行動を予測する |
毎朝音楽を聴きながらランニングする人が朝にイヤホンジャックを挿したら音楽プレイヤーを表示する、といった具合だ |
アプリでは標準の「メモ」アプリが強化され、手書きメモを残せるなど、EvernoteやOneNoteといったメモアプリに近づいた。iCloudを経由し複数の端末で同期できるといった点も同じ。
「マップ」アプリは、ようやく公共交通機関での経路検索をサポートした。ただ、米国や中国など一部の国にとどまり、国内ではやはりGoogleマップやNAVITIMEなどを使い続ける必要がありそうだ。新アプリ「News」の性質は、Flipboardが最も近く、ニュースのキュレーションという点ではSmartNewsなどとも似たようなものだろう。