2016年がスマートホーム元年となる?
BrilloとWeaveの登場で、立ち上がりつつあるスマートホーム市場が、ようやく本格的に動きだす準備が整った。これまで家電は資金力や開発力の豊富な大手メーカーが強い分野だったが、独立系の開発者でもアイデアの具現化はしやすくなるはずだ。
BrilloとWeaveにせよHomeKitにせよ、具体的に普及が見込めるのは実際の製品が登場してからだ。それには規格が登場してから最低でも半年~1年はかかる。となると、本格的に普及しだすのは来年、2016年以降となるだろう。前述したように、規格が半年以上先に発表されたHomeKitのほうが有利だが、製品開発に与える影響や対応端末のシェアやサポートするプラットフォームの範囲を考えるとBrilloとWeaveにもスタンダードを占めるだけの余地は大いにあるだろう。
どちらの規格が優位に立つにせよ、スマートホームを構成するIoT機器はこれから急速に数を増やしていく。最初のうちこそ、スマートフォンの位置情報や距離から自動的に電源をオン/オフできる程度のものが中心になるだろうが、そのうち機器同士が互いに情報を送りあい、オートで最適な設定に調整できるようになるはずだ。
さらにクラウドサービスを使って、より繊細な調整もできるようになる。たとえば「雨が降って気温が下がってきたから温かい飲みものが飲みたくなるはずなので、給湯スイッチをオンにする」「外が乾燥していて風が強く、埃が多くなるので空気清浄機のスイッチを入れ、ロボット掃除機を動かす」など、環境を考慮し、「こうしたほうが快適になるはずだ」という推測まで利用されるようになる。こうした解析技術は、Google I/Oのデモで十分にその実力の片鱗を見せつけたはず。スマートフォンにおいては有能な執事として、スマートホームにおいては気のつくハウスキーパーとして、人々の生活をサポートするようになるだろう。
ここまで便利になってしまうと人間がどんどんダメになってしまうような気がするが、筆者のようなダメ人間でも人並みの生活環境を整えられるのであれば、大いに歓迎したい。お膳立ては整いつつあるので、あとはIoT機器開発者のアイデア次第。どんな世の中がやってくるのか、大変楽しみだ。
(記事提供: AndroWire編集部)