このあと、会場では来場者によるFOVEの体験会が行われ、筆者も実際に体験してみた。

使用方法は一般的なHMDと大きな差はなく、眼を覆うように装着すればOK。今回試した試作モデルはディスプレイ部が前方に突出した形状でサイズもそれなりに大きかったが、見た目ほどの重さはなく、装着後にずり落ちてくることはなかった(ちなみに、量産モデルでは重量は400gが予定されている)。

体験会の様子

装着したら、まず視界に現れる緑色のドットを眼で追いかけることで視線検知の調整(キャリブレーション)を行う。キャリブレーションが終わったらいよいよ映像体験スタート。今回は、シューティングゲームを試したが、非常に視界が広く、視線や頭の動きに合わせて映像を表示しているためか、まるで本当に画面の中に入り込んで辺りを見渡している感じだった。

また、視線検知の精度も高く、意識して視線を合わせようとしなくても、普通に敵に眼を合わせれば照準が合うため、ストレスなくゲームを楽しむことができた。短時間の体験だったため、長時間使用した場合の疲労度などは分からなかったが、数分のゲーム体験では眼が疲れることはなかった。

体験会で試したシューティングゲーム

ちなみに同社では、ゲーム以外にも医療や教育など、様々な分野での活用が考えられると見ており、前述した沼尻光太さんのピアノ演奏のように、実際に取り組み始めているプロジェクトもあるという。また、ゲームや映像に関しても、コンテンツデベロッパーと共同で準備を進めているとのことで、イベント時にVRコンテンツの配信を行うWear VR社とパートナー関係を結んだことも発表された。今後は2015年Q3に予定されている開発者キットの提供などを通じて、さらに幅広い展開を目指していく。

小島由香氏とロックラン・ウィルソン氏

なお、同社はKickstarterで25万ドルのクラウドファンディングを目指しており、349ドル以上の出資をした人に対してFOVE本体の特別割引先行予約を受け付けている。詳細はKickstarterの該当ページを参考にしてほしい。