なぜVoLTE対応が遅れたのか?

前述したとおり、前モデルとなるSHF31と今回のSHF32は、ハードウェア的にはほとんど変わりがない。SHF31が登場したとき、KDDIの説明では「技術的に難しい」という理由でVoLTE対応を見送ったという話だったのだが、今回は大きなモディファイなしにVoLTEに対応している。この点について、会場でメーカーの担当者に質問してみたが、「KDDI側の判断」との説明にとどまった。

折りたたみ式では、通話しながらデータ通信もできるVoLTEの恩恵は受けにくいため、VoLTE対応による違いは音声通話品質の差程度かもしれないが、SHF31を購入したユーザーにとっては釈然としないだろう。説明ではソフトウェアアップデートでは対応できないということだったので、なんらかのハードウェア的な変更が加えられたか、ハードウェアリソース的にアップデートできるほどの余裕がないのかもしれないが、納得がいかないユーザーも多いだろう。既存ユーザーに対しても、何らかの配慮がほしいところだ。

元スマートフォンユーザーのためのフィーチャーフォン

AQUOS Kは、フィーチャーフォンの形状と操作感を維持しつつ、スマートフォンのアプリやサービスも利用できる、いいとこ取りの端末だ。この点、auが狙ったとおりの端末に仕上がっているといえるだろう。Googleアカウントが使えないことによる制限はあるものの、VoLTE対応や新料金プランの登場により、ますます魅力は高まっている。

スマートフォンを買ってみたものの、どうも物理キーがないと落ち着かない、しかしスマートフォンで味わった高速回線やアプリなどのサービスは使いたい……という、スマホを経験したことがあるユーザーほど、強い魅力を感じるのではないだろうか。それだけの期待に応えるだけのポテンシャルを秘めた端末だ。

(記事提供: AndroWire編集部)