物販に旨味はあるの?

発表会の最後に、質疑応答の時間がもうけられた。auショップでの待ち時間が増えるのではないか、という質問に田中社長は「フロアにいるアドバイザーが、待ち時間にアドバイスをすれば、お客様も待ち時間を有効に使える。待つ間の苦痛を、楽しいものに変えたい」と回答した。

質疑応答で記者団の質問に回答する田中社長

au WALLETの強みを聞かれると、田中社長は「決済プログラムをオープンでつくっていること。MasterCardがバックについているので、ほとんどの店舗で利用できる」と回答。特定のコンビニでしか使えない、他社のサービスよりも使い勝手が良いとアピールした。また、バリュー事業本部の勝木朋彦氏は「クレジットの審査のいらない、プリペイド式のカードも取り扱っている」点もKDDIならではの強みと付け加えた。

発表会の終了後、囲み取材に田中社長が応じた。同氏によれば、au WALLET Marketの狙いのひとつは「auショップに足を運んでいただける機会が増える」ことなのだという。「現在はアクセサリーの販売などもやっているが、多くのお客様は端末の買い換えなどで、1、2年に1回くらいの頻度でしかショップに来ていただけない。でも食料品などを扱えば、定期的に来ていただける。来店していただければ、新機種や新サービスなども紹介しやすくなる。そんな感じで、auショップを活性化していきたい」と回答した。

囲み取材で記者団の質問に回答する田中社長

au WALLET Marketでは、既存のショップ店員が来店者に商品を薦める。そのため、まずはショップ店員のスキル教育を行うという。田中社長は「直営から徐々に教育をはじめ、やがて大手の代理店などにも教育を広めていきたい」と明かした。物販はビジネス的には旨味があるのか、といった趣旨の質問には「一般に利益が少ないとされているが、我々はすでにショップを持っているので、本来なら必要となる販売コストも縮小できる」と回答した。