利用シーンに合わせて本体形状を変形可能

レノボ・ジャパンの「ThinkPad Yoga12」は、ノートPCとしてもタブレットとしても使えるハイブリッドタイプのビジネス向けデバイス。2014年発売された「ThinkPad Yoga」の後継モデルにあたり、CPUが第4世代Coreプロセッサから開発コードネーム"Broadwell-U"と呼ばれる第5世代Coreプロセッサに変更されている。海外では今回紹介する12.5型モデルのほかにも、14インチと15インチの液晶を搭載したモデルが発表されているが、国内では現在のところ12.5型のみの展開となる。

ThinkPad Yoga 12の天板。左上にThinkPadのロゴが、右下にエンボス加工されたレノボのロゴがあしらわれている

本機の最大の特長は、前モデルやコンシューマ向けの「Lenovo Yoga」シリーズでも話題となった360度回転するヒンジが採用されている点。ヒンジ部分を軸に液晶ディスプレイをくるっと回して天板と本体底面を密着させることができる。

そのため、クラムシェル型のノートPCのような「ラップトップモード」で使うことも、タブレットPCのような「タブレットモード」で使うことも可能。いわゆる2in1タイプのPCだが、本機はヒンジを任意の角度でとどめられるため、フォトスタンドのような「スタンドモード」や、動画などを鑑賞する際に便利な「テントモード」でも使用できる。そのため、レノボでは本機の構造を「2in1」ではなく「マルチモード」と呼んでいる。

タブレットモードで使用しているところ

スタンドモード。写真や動画の閲覧に便利。タッチ操作やペン操作もしやすい

テントモード。スタンドモードに比べると奥行きがあまりない場所にも設置しやすい。動画鑑賞などに便利

このように本体を変形してノートとタブレットの複数のモードを使い分けられるハイブリッドタイプの端末は他のメーカーからも発売されているが、タブレットモードで使用する際、多くの端末は背面に回ったキーボードが手に当たって気になることもある。

ヒンジは360度回転する

しかし本機は、ディスプレイが180度以上開いた場合にキーボード周囲のフレーム部がせり出してキーがロックされる独自の「Lift'n' Lock」機構を搭載。キーボード面がフラットになるため持ちやすく、カチャカチャ感も大幅に軽減されている。そのため、タブレットモードでも非常に使いやすい。

ディスプレイが180度以上開くと、キーボード周囲のフレーム部がせり出してキーがロックされる

また、スタンドモードでも同様にキーがロックされてキーボード面がフラットになり、机の上に安定して設置できるので、ペン入力する際などに机に接したキーが音を立てることがない。

ある意味「変態的」とも言えるギミックだが、ノートPC自体の基本性能はきわめてオーソドックス。本体には2基のUSB3.0ポートをはじめ、miniHDMI入力、マイク・ヘッドフォンコンボ端子、4in1 メディア・カード・スロットなどを装備する。また、一本のケーブルを接続するだけでUSB、HDMI、LAN、電源などを拡張できる「ThinkPad OneLinkドック」接続用のコネクタ(電源コネクタと兼用)も搭載している。

本体左側面には、Lenovo OneLink、Powered USB3.0、マイク・ヘッドフォンコンボ端子が搭載されている

本体右側面には、4in1カードスロット、USB3.0、miniHDMI入力端子が搭載されている