――だいぶイメージが変わってきますね…それは。
物語の中盤で、詩島剛/マッハに「ったく、おじさん世代は素直じゃないね」って言われた後、侑斗の「おじさん言うな!」という台詞がありますよね? ここから判断して、『電王』当時の侑斗から外見を変えてみようかなって。ただ、結局は剃ることになってしまったので、おじさんとも言えない外見に(笑)。衣装も衣装なので。
――中村さんのブログにはドライブ役の竹内涼真さんやマッハ役の稲葉友さんとのスリーショットなどもアップされていましたが、現行のライダーたちとの共演はいかがでしたか?
衣装合わせの時に竹内くんがあいさつに来てくださって、その時が初対面でした。ドライブも毎週観ていたので「うわっ! ドライブだ!」ってこちらがドキドキして、緊張してしまいました。竹内くんは、21歳には見えないオーラがありますね。
逆に稲葉くんは、性格というか雰囲気が僕と似ているかなって思う部分もあったり。人見知りっぽい感じというか。東映の撮影所で最初に会った時、あいさつを済ませてからお互いにずっと無言だったんです。実際に撮影に入ってからはよく話すようになりましたが、僕は先輩風を吹かせるのがどうも苦手みたいで……。竹内くんとは6歳、稲葉くんとは5歳離れていますが、2人の大人な部分もあり、同年代の感覚です。とにかく竹内くんは面白い子で、見た目よりもけっこうおちゃらける。逆に稲葉くんは全然ブレないんですよ(笑)。
――具体的にはどんなお話を?
例えばベルトや変身ポーズの話もありましたね。3号、マッハ、ゼロノスの同時変身シーンがありますが、僕はゼロノスカードをベルトに出して入れるだけなんで(笑)。及川さんと稲葉くんがポーズをビシッとキメている中で、僕はじーっくりゆーっくりカードを出して、こっちに出してきたのをさらに持ち替えてこう……。
――時間を稼いでいるという(笑)。
そうなんです。最近のライダーは平成初期に比べると、またダイナミックなポーズに回帰しつつありますよね。だから及川さんの3号、竹内くんのドライブ、稲葉くんのマッハを見て、ああ……うらやましいなあって(笑)。及川さんの変身ポーズは特に気合が入っていて、純粋にライダーファンとして見入ってしまいましたよ。
――及川さんの話も出てきたとこで、黒井響一郎についてお聞きします。物語では3号とゼロノスが背中合わせで戦うシーンもあり、侑斗と黒井の絡みは、もしかするとドライブよりも多いくらいで。
黒井響一郎とは常に一緒でしたね。及川さんは、演技における姿勢というか、とにかく熱いお方だったので、刺激を受けた部分が本当に多いです。昭和、平成に関わらず過去の仮面ライダーを熱心に観ていらっしゃるようで『ウィザード』の話でも盛り上がりました(笑)。3号についてどんな変身ポーズなんですか? と聞くと、直前の撮影に変身シーンがあったわけでもないのに、その場で見せてくれるんです(笑)。とにかく熱くて優しくて、本当に共演できてうれしかったです。
――中村さんは以前に初期の平成ライダーでは、特に龍騎やファイズがお好きだとおっしゃっていましたが、乾巧/仮面ライダーファイズ役の半田健人さんとの共演はいかがでした?
本当にファイズが好きなので、もう半田さんと言えばファイズ、乾巧です。なので、クールなのかなと思っていたら……これが非常によく話してくれます(笑)。一度話しだすと止まらないくらい知識が豊富な方で、世間話から雑学までいろいろなお話をさせていただきました。ベテランというか大御所の貫禄がありますね。でも、年齢は30歳だし、僕と3つしか離れていない……僕のイメージでは35歳くらいなんです(笑)。高校生で『ファイズ』に出演されていたことを聞いて驚きましたよ。僕が中学2年、3年生あたりの時に出演されているわけですから、半田さんはすごく大人に見えますよね。