ミルクティーの助けで緑茶を見極める
「今度まちがえたら、オレ最悪だな」と激しいプレッシャーを感じていたオレ。新しいお茶プレッソは、より細かく茶葉を挽ける。つまり、ざらつきをあまり感じないほうが新しいお茶プレッソにちがいない。舌の先で味を探っていたオレは、一方が、もう一方よりもざらついているように感じた。
さらに集中するにしたがって、オレは苦みのなかに「甘み」のようなものを感じ始めた。舌が慣れて、感度が上がってきたのだろうか? 今思えば、それは正確には味としての甘みではなかったのかもしれない。苦みのおかげで相対的に生まれた甘みのようなものだ。これがお茶プレッソが到達した新しい領域なのか。あるいは、つい集中し過ぎたオレの脳内で起こった感覚のイリュージョンなのか。どちらにせよ、オレは確信した。「こっちが新しいお茶プレッソだ!」
ミルクティーで口をゆすいだおかげなのか、茶葉の細かさのちがいを2回目よりも感じやすかった。そのおかげで、3回目はきちんと正解。「やっぱり、オレはちがいがわかる男なんだな」とホッと胸をなで下ろす。
「本当によかったですね! 外れたら一条さんのせいでシャープさんに向ける顔がない、どうしよう、って思ってましたよ~。茶葉の細かさって、案外わかるもんなんですね」。編集者が明るく言った。
お茶プレッソの新機種が、旧機種よりも茶葉を細かく挽けることが一応は証明できて何よりだ。重要な日本の文化の一つともいえる緑茶を、よりおいしく飲めるお茶プレッソはすばらしい製品だと、オレは八十八夜に思う。