疑惑の再トライ

コップには小さく「○」と「△」の識別マーク。こうしないと、作った人もどっちがどっちかわからなくなる

1回目、みごと正解したオレに、編集者が「温度のちがいでわかったのでは」と疑いの目を向けてきた。「手でカップを持ってみてハッキリ温度がちがうと感じますよ。飲めばなおさら、ちがいがわかるんじゃないですか?」とたたみ掛ける。

そう、新機種には湯冷まし機能があり、70℃のぬるめ茶を淹れられるのだ。ブラインドテストの会場では、電源の関係でお茶を別々に作る必要があったため、先に旧機種のほうで90度の温茶を淹れてから、新機種のほうで70℃のぬるめ茶を淹れた。こうすれば先に作ったお茶が冷めて、2杯とも同じぐらいの温度になるのでは? という予定だった。

厳密に温度を測ったわけではないが、旧機種で作った温茶があまり冷めず、高温のままだったのかもしれない。そこで、ここからは新旧両方とも90℃の温茶でテストすることにした。

「じゃあ、もう1回トライですね」という編集者の残酷な一言により、再びブラインドテストを行うことに。2回目は1回目よりも悩んで決断したのだが、なんと外してしまった。オレとしたことが……。結局、「やっぱり温度でわかっただけなんじゃないんですか~?」と編集者に冷たい視線を向けられることになった。

不覚にも外してしまった

外したせいでちょっと弱気になるオレ

敗北を喫したオレは、「もう2杯もお茶を飲んで舌が茶葉でザラザラするから、そのせいかも」と釈明し(言い訳ではない)、たまたまカバンに入っていたミルクティーで口をゆすいでから、再トライすることにした。