――ダイナミックなバスのカーチェイスシーンも見応えがありました。現場はいかがでしたか?
北野監督「よくあそこ、貸してくれたなあと。前の日からセットを組んで、1回壊してから、もう1回立て直したりしたんだ。CGは、張り出したカメラを消したぐらいで、他は一切使ってない。あのシーンでは、龍三と子分たちが、乗らなくてもいいのにみんなバスに乗っちゃっていたんだけど、スタントマンの運転手は、腕の見せどころだからガンガンやる。みんなふらふらになっちゃったね(笑)」
藤「実際、撮影現場はすごく迫力がありました。あの狭いところを壊しながら撮っていくんです。モンスターみたいなものですよ。みんながエキサイトしていました。ああ、北野組をやっているんだというワクワク感があって、ノッていました。けっこうすごかったけど、内心、はしゃいでいたんです」
――本作で、北野監督は17作目となりました。本作での手応えについて聞かせてください。
北野監督「映画界は今、不遇というか良い時代じゃない。冒険させてくれないし、冒険したとしても、当たらなければしょうがない。『アウトレイジ』のようなギャング映画ばっかりをやっているのは嫌だし。また、『龍三~』が当たれば、パート2ができるわけで、今度は、龍三が刑務所を出てきたところから始まるけど、おじいさんたちは入れ替えたっていいし、組を作って、老人同士の戦いになっても面白いなあと。違うところへ殴りこんじゃって『あれ? 誰もいねえ。道、間違えてねえか?』と言って、老人たちが徘徊するというのもいいね(笑)」
本作で初タッグとなった、北野武監督と藤竜也は、互いに充実感あふれる表情で、現場について饒舌に語ってくれた。とにかく、本作のジジイたち、クールすぎ! 本作を観れば、ジジイパワーにノックアウトされ、清々しい気分で劇場を出ることになるだろう。 『龍三と七人の子分たち』は、4月25日(土)より全国公開。