新MacBookに搭載されているCPUは、省電力性能を重視したIntel Core Mというプロセッサだ。動作周波数は1.1GHz(Turbo Boost使用時最大2.4GHz)となっている。国内外のMac系媒体の事前予想ではMacBook Airが搭載するCore i5/i7に比べてかなりパフォーマンスが劣るのではないかと危惧されていたが、実際のところどうなのだろうか?

そこで、いくつかベンチマークを実行してみることにした。まず、定番の「Geekbench 3」を使ってCPU性能をチェックしてみた。その結果は下表の通り。

Geekbench 3(32bit)によるベンチマーク結果
機種 CPU Single-Core Score Multi-Core Score
MacBook Core M(1.1GHz) 2422 4609
MacBook Air 11(Mid 2012) Core i5(1.7GHz) 2464 5011
MacBook Air 11(Mid 2013) Core i5(1.3GHz) 2671 5155
MacBook Air 11(Early 2014) Core i5(1.4GHz) 2718 5359
※参考:MacBook Air 11(Mid 2012) Core i7(2.0GHz) 2902 6027
Geekbench 3(64bit)によるベンチマーク結果
機種 CPU Single-Core Score Multi-Core Score
MacBook Core M(1.1GHz) 2422 4609
MacBook Air 11(Mid 2012) Core i5(1.7GHz) 2464 5011
MacBook Air 11(Mid 2013) Core i5(1.3GHz) 2671 5155
MacBook Air 11(Early 2014) Core i5(1.4GHz) 2718 5359
※参考:MacBook Air 11(Mid 2012) Core i7(2.0GHz) 2902 6027
  • ※MacBook Air 11の数値に関してはGeekbenchの開発元であるPrimate Labsが公開しているデータを参考にしている

ベンチマーク結果を見ると、CPUに関してはほぼ3世代前のMacBook Air 11インチのエントリーモデルと同等の性能だと言えるだろう。もっとも、3世代前といっても表を見れば分かるように1世代前のMacBook Air 11(Early 2014)と比べてもそれほど大きな差があるわけではない。今回は試すことができなかったが、Core M(1.2GHz)を搭載した新MacBook上位モデルならいい勝負になるのではないだろうか。

次に、CINEBENCH R15でもベンチマークを計測してみたところ次の通りになった。

CINEBENCH R15によるベンチマーク結果
機種 グラフィックス CPU OpenGLスコア CPUスコア
MacBook Intel HD Graphics 5300 Core M(1.1GHz) 18.48fps 208cb
MacBook Air 11(Mid 2012) Intel HD Graphics 4000 Core i7(2.0GHz) 15.73fps 239cb

手元にある機材で比較してみると、グラフィックス性能は3世代前のMacBook Airに搭載されていたIntel HD Graphics 4000より2割弱向上している。これは、1世代前のMacBook Air 11(Early 2014)とほぼ同等。

これらのベンチマーク結果と、メモリやSSDの進化などを考えあわせると、今回試したMacBookの総合的なパフォーマンスは1世代前のMacBook Airのエントリーモデルよりやや劣る程度という感じだろうか。映像編集をガッツリやりたい人には若干パワー不足かもしれないが、文書作成やWeb閲覧、写真編集など、MacBookの想定されるおもな用途には十分すぎる性能だと言えるだろう。

パフォーマンスと同様に気になるのが、バッテリー駆動時間の長さ。アップルが公表しているスペックを見ると、最大駆動時間は現行のMacBook Air 11インチモデルと同じ9時間(ワイヤレスインターネット閲覧時。iTunesムービーの再生は最大10時間)となっている。そこで、実際にどれだけ持つかチェックすることにした。

まず、システム環境設定の「ディスプレイ」で、「輝度」を75%程度に設定。その状態で、ローカルに保存した1080pのH.264/AAC動画をフルスクリーンでリピート再生したところ、8時間45分経ったところで強制スリープになった。同様に「輝度」を30%程度に設定して同じ動画をリピート再生したところ、11時間21分の駆動が可能だった。これぐらい持てば、ふだんはACアダプタを持ち歩かなくてもすむだろう。

ちなみに、付属のACアダプタはケーブルが脱着できるタイプで、製品に同梱されているUSB-Cケーブルを挿して使用する。このACアダプタはMacBook Airのものと比べてひとまわり小さく、非常にコンパクト。実測で108gしかない。一緒に持ち歩く必要がある場合でも、荷物にならないのはありがたい。

Geekbench 3(32bit)によるベンチマーク結果

Geekbench 3(64bit)によるベンチマーク結果

CINEBENCH R15によるベンチマーク結果

付属の29W USB-C電源アダプタは、充電ケーブルを脱着できる

電源アダプタはMacBook Airのものよりひとまわり小さい。ただし、MacBook Air用にはあった側面のアップルマークは省かれている