iOS 9はどうなる?
モバイル関連に絞って考えると、iOSのアップデートはやはり大きな発表だ。iOS 7でフラットデザインを採用し、外見が大きく変わったが、iOS 8ではHealthkitやHomekitなど、新機能が多数追加された。ただしiOS 8では安定性が下がったという指摘も多い(筆者も以前より不安定になったと感じている)。
iOS 9に関しては、OSの安定性向上を主眼とした上で、iOS 8の発表前に噂されていた機能がいくつか採用される可能性がある。たとえばマルチユーザー(ゲストユーザーを含む)切り替えや1画面上に2つ以上のアプリを表示するマルチタスク(Windows 10が対応している)、ペアレンタルコントロールの強化などだ。
マルチユーザー切り替えはTouch IDを使って簡単に実現できそうだし、iPadやiPhone 6 Pusのような大画面モデルではマルチタスクも実用的だろう。
iOS 8では通知センターのカスタマイズが解禁されたが、iOS 9ではコントロールセンターの解禁も期待できる。特にコントロールセンターから呼び出せるアプリの変更は、多くのユーザーが期待している機能のはずだ。iOS 8で解禁されたサードパーティ製キーボードについても、ハードウェアキーボード対応などを含めて、さらに制限解除される可能性が高い。日本語入力アプリ「ATOK」をBluetoothキーボードで思う存分使える環境を期待したいところだ。
対応機種については、iOS 8でカバーされていたiPhone 4sがそろそろ対応リストから落ちる可能性が高い。ただし、iPhone 4sが搭載するApple A5プロセッサは、iPad 2やiPad mini、iPod touch(第5世代)、Apple TVでも採用されており、このあたりを一気に切り捨てるのはなかなかリスキーだ。筆者は最新OSがiPad 2をサポートし続けていることが、iPad買い替え需要を阻害していると感じているのだが、このあたりの判断は経営的にも難しいところだろう。
対応機種をCPUの64bit対応(Apple A7)で区切るというやり方もあるが、さすがにこれではiPhone 5/5cもカバーされなくなるため、64bitクリーンなOSになるのはiOS 10以降になるのではないだろうか。