米Facebookは現地25日、米サンフランシスコで年次開発者向け会議「F8」を開催し、メッセージサービス「Messenger」をプラットフォーム化する「Messenger Platform」などを発表した。メッセージサービスは日本の「LINE」、中国の「WeChat」など競争の激しい分野で、Messengerの機能強化を外部の開発者とともに行っていく戦略となる。CEOのZuckerberg氏は大きくなるFacebook開発者コミュニティに対し、構築、成長、マネタイズを呼びかけた。

Mark Zuckerberg氏

今回のイベントには2500人以上の開発者が詰め掛けた。Facebookによると、開発者コミュニティの規模はこの1年で倍に拡大し数十万単位に成長しているとのことだ。イベントの初日は、CEOのMark Zuckerberg氏により発表された「Messenger」のプラットフォーム化をはじめ、25もの製品やツールが明らかになるなど盛りだくさんの内容となった。

Messengerがプラットフォーム化する

最大のニュースはメッセージ/チャットサービスMessengerのプラットフォーム化についてだ。Messengerは4年前に提供を開始し、毎月6億人が利用しているという。これまでFacebookはシンプルなテキストメッセージから写真の対応、ステッカーやスタンプの提供、位置情報の挿入などを加え、通話機能の提供も開始した。現在モバイル端末を利用したVoIP通話の10%がMessengerを利用しているという。それに加えて、先週はマネー機能を加えている。

「Messengerの改善にあたって、これまで自社で機能を構築してきた。新しい戦略ステップに入る」とZuckerberg氏は述べ、Messenger Platformを紹介した。プラットフォームをオープンにすることで、開発者がMessenger上に追加や拡張機能を構築できるようにするもので、GIF、写真、動画、音声クリップなどでの会話や表現が可能になる。同氏は外部開発者の拡張機能により「Messengerでの会話がさらにリッチに、よくなるだろう」と述べた。

上部にはインストール済みのアプリ、下には新しいアプリが1行の説明文とともに表示されている

拡張機能giphyを利用してGIFを選択してMessengerで送る画面

すでにESPNなど40種類以上のMessengerのアドオンアプリが開発されており、ユーザーはアプリと同じようにダウンロードすることになる。Platformは同日ローンチしており、開発者は公開されたSDKを利用して開発できるという。