霜月はるか・日山尚・空乃蒼による同人サークル「tieLeaf」より2005年に発表された、ラグクーアシリーズの原点となる「月追いの都市」のコンセプトライブが、ライブハウス「月見ル君想フ」にて開催されたのが2014年7月。
昼夜二回公演のチケットが数分で完売するなど、伝説となった一日限りの公演を、ライブの臨場感そのままにスタジオレコーディング。「月追いの都市 Acoustic Story Live ~Studio Recording~」として、2015年3月18日にリリースされた。
歌・朗読・ピアノによる新たなサウンドストーリーCDとして再現された本作。その発売を前に、歌唱および作曲を担当した霜月はるかとトータルプロデュース・脚本・作詞を担当した日山尚の2人に、あらためてその魅力を振り返ってもらった。
月追いの都市 Acoustic Story Live ~Studio Recording~
――まずは2005年に「月追いの都市」を制作した当時を振り返ってください
霜月はるか「当時、日山さんと空乃さんが『tieL』という創作サークルをやっていて、私は『Maple Leaf』という音楽サークルをやっていたんですけど、日山さんの世界観で私が音楽を作りたいということで、一緒になったのが『tieLeaf』なんです」
日山尚「私が考えていた企画をみんなで一緒にやろうということで集まったのが最初ですね」
霜月「『tieLeaf』ができる前から日山さんとは友達で、一緒にゲームを作ろうって話をしていたりもしました」
日山「最初は同人ゲームサークルを作ろうとしていたはずなんですけど……」
霜月「元々、日山さんのホームページのチャットに入り浸っていたのが最初で、それがドンドン広がっていって(笑)」
日山「よくある話だと思うんですが、統制が取れない大人数になってしまったんですね。その中から最終的に、どんな形でもいいからモノを作ろうという人が残った感じです(笑)」
霜月「日山さんの世界観が好きだったんですよ。実際、ゲームを作ろうとしていたときも日山さんの世界観だったんですけど、私はその世界観でずっと音楽をやりたいと思っていた。それで、『tieL』として日山さんと空乃さんがやっていたところに、私が音楽として参加させてもらうにあたり、3人でやるんだったらどんな形がいいかを模索した結果、出来上がったのが2005年の『月追いの都市』になります」
――2005年の作品は今回のアルバムと比べてどのような違いがありますか?
霜月「いろいろな作家さんに曲を書いてもらったりしているのですが、当時はスタジオレコーディング自体経験が少なく、宅録した曲もありますし、打ち込みだけで作ったものもあれば、生楽器をいれたものもあり、多重コーラスだったり、バンドサウンドもあったりで、音楽的には非常に幅の広いものでした」
――アコースティックにこだわっていたわけではないんですね
霜月「ただ、ピアノとバイオリンがメインの楽曲が多かったので、ピアノアレンジと相性の悪い作品ではなかったと思いますが、元々はもっとコーラスが多かったです。造語、いわゆるラグクーア語の部分は、コーラスも含めての表現みたいなところがあったので、今回はそれを別の形で表現するにあたり、削らざるを得なくなった部分もありますし、その代わりに朗読で語った部分も多いです」