――武道館の後、最初に歌う曲としての「Mr.Launcher」ですが、最初に聴いたときの感想は?
LiSA「勢いのあるロックを象徴するような曲を作りたいと思って、HIDEO (NEKOTA)さんにお願いしたんですけど、最初に聴いたときは本当に『キタ!』って感じでした。もうイメージどおり」
――「Mr.Launcher」はLiSAさんの作詞ですが、それは最初から決めていたのですか?
LiSA「元々歌詞については、自分で絶対に書かなくちゃいけないとは思っていないんですよ。自分よりも料理の上手い作詞家さんが私の周りにはたくさんいらっしゃるので、基本的には、そういう方々にお任せするのがいいと思っています。ただ、私自身、料理が得意なほうではないのですが、自分自身で作ることによって伝わる愛情があるならば、自分の手で作るべきだと思っています。母親がお弁当に愛情を加えるような感じですね。手作りだからこそ伝わる愛がある。そう思ったので、1曲目の『Mr.Launcher』は自分の手で書くことにしました」
――「Mr.Launcher」の作詞はスムーズに進みましたか?
LiSA「最初からある程度のイメージはあったので、あまり時間は掛かりませんでした。思い浮かんですぐに書き上げた感じです。一番最初に浮かんできた言葉が『Mr.Launcher』だったので、そこからドンドン拡げて、今のLiSAが伝えられるものは何だろうって考えながら、言葉を綴っていきました」
――「今のLiSA」というのは、2015年の武道館が終わった後のLiSAさんということですね
LiSA「そうですね。物語として、去年の武道館は悔しかった、そして今年の武道館では『どーなっても今日もいい日だ』って、弱い自分を認めた上で、すごく楽しいライブができるようになった。たとえ、それがどんなライブになったとしても、きっと私は楽しかったと言うであろうと思いました。そうしたら、その後にLiSAという人が歌うべきことって何か? もうそれは『俺って無敵!』って言いながら"突破"していく姿じゃないかなって(笑)」
――今回の歌詞の中で象徴的に入れたワードはありますか?
LiSA「すごくたくさんありますが、まずひとつは『カミサマが呆れるまで 何回も何回も~』のところ。すごくわかりやすいですよね。あとは『最強のピースを』。ここを歌ったときに、『俺ら戦えるぜ』ってみんなが手をあげてピースをしたら、すごく絶景だと思ったんですよ。ここにいるみんなと一緒にピースをしたら、すごくカッコイイ絵が作れる。そして、これからもみんなと一緒に戦っていける。そんな想像をしたら、とてもワクワクしたんですよ。だから、この"ピース"という言葉は絶対に入れたいと思いました」
――LiSAさんは、意外と「ピース」が好きですよね
LiSA「好きです」
――あまり「平和」の意味はなさそうですが……
LiSA「そうですね。勢いです(笑)。あと、『僕を呼ぶ誰かの声がする』というのは、これまでからずっと言ってきたことなんですけど、『僕を狙う誰かの声がする』というのは、あまり表立っては言えなかった言葉なんですよ。でも、武道館を乗り越えた今のLiSAだからこそ言えると思って歌詞に入れました」
――そんな「Mr.Launcher」に「Rising Hope」が続き、3曲目が「rapid life シンドローム」
LiSA「センパイ(田淵智也氏)らしい、センパイの歌を作ってくださいとお願いして、できた曲が『rapid life シンドローム』です(笑)」
――とてもセンパイらしい曲ですよね
LiSA「みんなが前向きになれる曲だと思います。センパイらしいというのはLiSAらしいということなので、それを思い切りやってくださいってお願いしました」
――この曲は歌詞を覚えるのも歌うのも大変そうですが……
LiSA「センパイの曲って、歌詞を覚えるのは大変なんですけど、歌うとすごく口が気持ちよくて楽しいんですよ。かなり練習したんですけど、『右往して揚々』とかすごく楽しいです。ラップなのか語りなのかって感じで。『困っちゃいますね』とかも好きです。遊び心というか、ちょっと舐めている感じ、ふざけている感じが気に入っています(笑)」