Appleは開発者向けにiOS 8.3のベータ版をリリースしたが、同バージョンではいくつかの新機能が搭載されるという。その新機能が今後、どのような影響を与えるのだろうか。今回はiOSの普及速度からユーザーが受けられるメリットについて述べ、iOS 8.3の内容と考察をしてみたい。
iOS 8の普及速度は?
Appleによると、iOS 8の最新の普及率は2月第1週の段階で72%に上昇したという。この数字は、開発者向けに、App Storeに訪れたユーザーのバージョンを開発者向けのサイト上で報告しているものだ。その2週間前に当たる1月第3週は68%だったことから考えると、2週間で4ポイントアップしたことになる。ちなみに2月の段階で、iOS 8と同時期にリリースされたGoogleのAndroid 5.0(Lolipop)は、普及率1.6%と低迷している。
iOSは、モバイルだけでなく、あらゆるOSの中で、最も速いスピードで新バージョンが普及することで知られている。Appleもプレゼンテーションの中で、競合するAndroidで複数のバージョンが混在する「断片化」について指摘することがある。
ハードウェアとソフトウェアを1社が手がけるAppleのiOSと、Google・ハードウェアメーカー・携帯キャリアの3者が介在するAndroid、という構造上の違いから断片化が生じてしまう。しかし、結果的にはこの構造のおかげで、Androidが世界のモバイル市場を大きく独占している状況だ。
一方で、iOSが開発者に支持される点は、有料アプリやアドインの購入に積極的な「優良ユーザー」が多いこともさることながら、新バージョンの普及の早さから、最新のOSの仕様を生かした新機能を素早くユーザーに届けるられること。メジャーバージョンアップは、新機能や、新デバイスへの対応が行われ、iPhoneやiPadそのものを売り込んでいく際の材料になるため、Appleにとっても、普及率の素早い向上は重要になるのだ。
Apple WatchサポートのiOS 8.2、機能充実化のiOS 8.3
さて、iOS 8.2は海外の報道によると、iPhoneがApple Watchに対応するためのバージョンアップが中心となりそうだ。
iOS 8.2を導入したiPhoneには「Apple Watch」アプリが追加され、設定を行うことができるようになることが報告されている。このリリース時期は、Apple Watchが発売される2015年4月か、予約受付を開始してからになるとみられる。
そして、「その次」のバージョンとなるiOS 8.3が開発者向けのベータ版としてリリースされた。MacRumorsがその内容について伝えている。それによると、大きな機能の追加は「Googleの2段階認証対応」「CarPlayのワイヤレス接続への対応」「中国でのApple Pay対応」「新しい絵文字キーボード」になるという。