バッテリ駆動時間へのこだわり
もうひとつVAIO Zがこだわったのは、バッテリ駆動時間である。JEITA 1.0で20.2時間、JAITA 2.0の計測で約15時間を実現した背景には、ビシネスマンが、一日使っても余裕があるバッテリ駆動を目指した点が見逃せない。
「VAIOが目指しているのは、実際のビジネスに使うことを考えた仕様。これまでのPCでは、丸一日外出してPCを使う際には、少し重たい大容量バッテリに付け替えたり、万が一のことを想定してACアダプタを持ち運ぶといったことが多かった。その結果、実際のモバイル利用時には、重量が増加したり、持ち物が増えたりということになる。VAIO Zでは、余裕があるバッテリ駆動時間を実現することで、本体だけを持ち運んで利用できることを目指した。少しハードな使い方をする人でも一日半は持つだけの容量がある」(黒崎氏)とする。
バッテリの消耗度が高いWQHDの液晶ディスプレイの搭載や28W CPUの採用など、長時間化にはマイナスな要素ばかりがVAIO Zにはつぎ込まれている。「液晶ディスプレイでは、必要な方向に光を集めることができる超集光バックライト技術を採用することで、画質を保ったまま電力を下げることができた。こうしたひとつひとつの要素を詰めていって、これだけのバッテリ駆動時間が実現できた」(原田氏)と、開発陣の苦労が結実した成果がここにある。
実際、余裕をもって一日利用できるバッテリ駆動時間は「先にありき」で開発を進めたものであり、ここでの妥協は一切しなかったという。
そのほかにも、VAIO Zには数々の尖った機能がある。PCIeインタフェースを採用したHigh Speed SSDの採用や、Instant Goテクノロジーによる0.3秒でのスタンバイ復帰などで、スタンバイ時では17.9日という長いバッテリライフを実現している。