一般ユーザーが不正コピーに引っかからないポイントとは

さらに石原氏は、個人が注意すべき点についても言及。OSやアプリケーションの不正コピーに関わるケースとして多いのは、ネットオークションなどによる購入である。他にも不正コピーをダウンロードするケースも想定できるが、こちらは明らかに違法だ。

出品商品の価格が安すぎる場合や、プロダクトキー(シリアル番号)だけを販売する場合、不正コピーやキージェネレーターで生成したプロダクトキーを用いているケースが少なくないそうだ。他にも法人向けのVL(ボリュームライセンス)版を個人向けに提供し、インストール制限がないことをアピールする商品など、明らかに不審なケースも多い。

興味深いのが「注意が必要なショップ」と題した注意点。商品の説明文に、日本の漢字ではなく簡体字や繁体字が含まれる場合や、レビュー内容が過度に褒めちぎる場合も注意すべきとのこと。出店者の国籍を知ることはできないものの、日本人以外の不正コピー提供者が多いことを示している。

一般ユーザーが不正コピーを買わないようにする注意ポイント。多くの読者は「100パーセント本物」とうたい文句で不正コピーだと気付くのではないだろうか

その土壌となるネットオークションサイトも問題だ。具体的なサイト名は明かさなかったが、BSAからネットオークションサイトに対して削除依頼を行った件数は、2014年だけで30万件を超える。筆者も、とあるソフトウェア系企業の広報担当者から、不正コピーのオークション出品に悩まされていることを耳にしてきたが、石原氏はサイト側の責任を追及できるかという質問に対して、「理論的にはありえる」と語った。

石原氏は、先ごろ新宿・歌舞伎町にあるビルの1室を違法営業の裏カジノ店と知りながら賃料を受け取っていたとして、ビル管理会社の代表者を警視庁 保安課が逮捕した件を例に挙げる。ここで「カジノとビル管理会社」の関係が、「不正コピー出品者とオークションサイト運営企業」に当てはまるという。ただし、サイト運営者側は出品時に「不正品ではない」といった確認を求めているケースが多いため、必ずしも簡単ではないようだ。

BSAによる大手オークションサイトへの削除依頼数。以前のリリース記事によれば2013年は約6万件だったのに対して、2014年は30万件と大幅に増えている