ポート位置も「据え置き」仕様に
一方で、飛田氏は次のようにも語る。「見た目はPCらしくないかもしれない。そのため、PCとしての機能に疑問を持つ人がいるかもしれない。だが、Fristaの開発において、最もこだわったのは、PCとしての機能はなにひとつ削らないことだった」。
Fristaは、第5世代のIntel Coreプロセッサを採用。8GBのメモリ、1TBのハードディスクの搭載とともに、光学ドライブを内蔵。上位モデルではBDドライブを搭載している。また、15.6型の液晶ディスプレイは、タッチ対応とともに、フルHD(1,920×1,080ドット)表示を実現した。
液晶ディスプレイ部は水平まで動かすことができ、まるでタブレットのような形状でも利用できるため、家族や友人とテーブルを囲んで上方を共有する際にも便利だ。さらに、「LaVieボイス」による音声入力や、手振りで操作するジェスチャー入力にも対応。「音声入力やジェスチャー操作の機能は、コスト増がなく搭載できる。キッチンで調理中にレシピをみながら操作したい場合などの利用に最適な機能」とする。
そのほか、92万画素Webカメラや、ヤマハ AudioEngineを採用。1.5W+1.5Wスピーカーを内蔵するなど、ハイエンドホームパソコンともいえる仕様を実現している。
そして、インタフェースにもこだわりをみせる。
背面に電源用ポートやLANポートなど、常時接続系のポートを設置。コードが側面から飛び出ないようこだわった配置という。側面にはUSBやSDカードスロット、光学ドライブなど、端子が出っ張らないデザインになっている |
本体右側面には、USB 3.0を2基と、SDXCカードスロットを搭載。本体背面には、電源ポートのほか、イーサネットポート、HDMI出力ポートを備える。背面に設置したポートは、据え置き時に使うものを中心としており、棚などに設置した際にコードが見えなくするための配慮でもある。
飛田氏は、「少なくとも、電源コードを側面につけることだけは避けたかった」と、設置時のデザインに配慮したポートのレイアウトであることを強調する。
そして、PCとしての機能を削らないという点は、キーボードのこだわりにも見てとれる。
Fristaのキーボードは、本体下部に収納するために、薄さを追求した。だが、それ以上にこだわったのが、キーボードの打鍵感だ。キーストロークは1.7mm、キーピッチは17.8mm。A4ノートパソコン並の打鍵感を実現したほか、10キーも搭載。ボタン電池を搭載したBluetooth接続キーボードとしており、約1年間は電池交換なしで稼働するという。
「PCとしての利用では、キーボードを使うシーンが想定される。Officeを標準搭載し、その操作にも適したキーボードを搭載した。PCの機能を削らないという点で、キーボードもA4ノートPCと比べて遜色がないものを搭載した」とする。
キーボードは390gと軽量化を図っているが、軽量化だけを追求すればさらに軽くできたという。だが。キーボードのなかにはアルミ鋼板を入れ、強度を優先した。「樹脂だけの構造では、使用しているうちにゆがみが出てしまう可能性がある。これも操作性を失わないための工夫」だとする。
さらに、キーボード収納時にはスムーズに収納できるようにポム材を使用した円形部品を収納部に配置。さらにテフロンを利用して滑りやすいようにした。また、持ち運びの際に収納したキーボードが落下しないようなロック機能を搭載したほか、キーボード収納部の上部の素材をダイキャストとし、下部にもアルミ鋼板を使用。持ち運び時や、使用時にも上下からの圧力に耐えうるような設計とし、収納したキーボードを保護している。
「構造上、最も苦労したのが、キーボードとキーボードの収納部。PCの機能を削らないためにもこだわり抜いた」と飛田氏は語る。