消費電力
最後に、各GPUを搭載したシステム全体のアイドル時の最小消費電力と、3DMark実行時の最大消費電力を比べてみよう。なお、電力の測定には、サンワサプライのワットチェッカーを利用した。こちらの結果では、 GTX 960の優位性が明らかだ。他のGPUと比べて一回りも二回りもロード時の消費電力が低い。
ワットパフォーマンスが大きく向上したミドルレンジの新たな選択肢
ここまでGeForce GTX 960のベンチマーク結果を駆け足でお伝えしてきたが、ひとことでいうと、GeForce GTX 960は、処理能力面の向上は前世代と比べてそれほど大きくないものの、消費電力を大幅に低減させることに成功したGPUだ。
北米での参考価格は199米ドルと、GeForce GTX 970の参考価格329米ドルから比べると、割安感は強いのだが、その分のパフォーマンス差もある。より高い性能を必要とするユーザーが積極的に選択するGPUとはいいにくい。しかし、GTX 660など少々古いメインストリーム向けGPUを使っているユーザーのリプレース候補としては十分魅力的だろう。
気になるのは国内での販売価格だ。新型GPUは発売後しばらく"ご祝儀"価格が設定されるのがおなじみだが、GeForce GTX 970を見ると、安価な製品では4万円前後から購入できるうえ、前世代の製品となるGeForce GTX 760/770も購入しやすい価格で販売されている国内の初値が199ドルからかけ離れると、当面は選びくい製品となりそうだ。ただ、GTX 660もそうだったが価格がこなれて、2万円台前半が見えてくると、一気に導入が進みそうな気もしている。
また今後、そのワットパフォーマンスを生かして小型化、静音化、ロープロファイル化された製品が販売されれば、より面白いGPUとなりそうだ。