グラスのハードウェアは、1.2GHzのOMAP 4430(CPUコアはCortex-A9)に2ギガバイトメモリ(エクスプローラー版。初期製品は1ギガバイト)、16ギガバイトのストレージ、Bluetooth、無線LANを搭載している。640×360ドットのLCoSディスプレイ、5メガピクセルのカメラ、ジャイロ、加速度、磁気、照度センサーを内蔵し、さらに近接センサーでグラス側面へのタッチを検出している。オペレーティングシステムとしてAndroid 4.4(KitKat)をベースにしたものが搭載されている。ただし、スマートフォン側からグラスを制御するためにはMirrorと呼ばれるAPIを利用する必要があり、さらにグラス上で動作するアプリを開発するには、グラス専用のGDK(Glass Development Kit)を使う。
ただし、昨年5月のGoogle I/Oのセッションでは、Android Wareの通知をグラスでも利用可能にすることを発表しており、10月にリリースされたグラスの最終アップデートでは、スマートフォンの通知を表示できるようになっている。
グラスに関しては、バッテリ寿命が短すぎる、ソフトウェア開発が大変といった話がインターネットなどに出ている。これは、評価用の最初のハードウェアとしては致し方ない部分もある。アンドロイドの初期の機種も半日ぐらいしかバッテリがもたず、国内では予備バッテリを同梱で販売されたこともあった。しかし、本格的なビジネスとして立ち上げるとすると、少なくとも現在のスマートウォッチのレベルにまでは引き上げる必要がある。
Android Wareでは、昨年12月のLollipop Android Wareへのアップデートでバッテリ寿命が延びるといった改善が行われており、ウェアラブルデバイスとしての可能性が見えてきたところだ。もし、次世代のグラスを開発するとしたら、ウェアラブルデバイス用として開発されたAndroid Wareをオペレーティングシステムとして採用すると思われる。技術の追求という点では、グラス型のハードウェアにAndroid Wareを搭載して、その使い勝手や可能性を調べるという部分があり、プロジェクトを中止するのには少し早すぎる感じがある。また、グラスのハードウェアは、現在では一世代前のものであり、プロセッサSoCなどの消費電力などの点で十分ではないものだ。低消費電力のCortex-A7クラスのSoCを使い、最新のハードウェアでも検証を行う必要もあるだろう。