言葉通りに受け取れば、グーグルは第二世代のグラスを開発中ということになるが、「Google [X] labsから卒業」という話だけで、今後の針路について明確にしていないし、「開発は続く」、「現時点では何も見せられない」というのは、なんだか、「休刊する雑誌の挨拶」みたいだ。雑誌などの媒体は、あくまでも一時「休む」だけで「廃刊」とは言わないが、そのまま復活しないことがほとんど。考えようによっては、「卒業」したあと行方不明になってしまう可能性も否定できない。なお、グラスのチームから開発者などが退職している、というニュースもあるが、米国では転職の頻度は高く、必ずしもグラスのプロジェクトが中止されたことを意味しないが、方針転換があった可能性は残る。
そのほかにもアプリ開発を行っていた開発企業がすでに撤退しているという話もあるが、この後、プラットフォームやAPIなどに大きな変更があるとすれば、現時点ではプロトタイプで出荷が限定的なグラス用のアプリ開発に投資すること自体が無駄なことになるため、継続する企業はないというだけの話かもしれない。
ただ、事実としてグラスのシステムアップデートは昨年10月まではほぼ毎月行われていたのに昨年10月14日リリースのXE22を最後にアップデートが止まったままだ。おそらく、XE22の開発中に「卒業」とエクスプローラープログラムの終了が決定したのだろう。
可能性はまだ追求できる
グラスは、無線(Bluetoothや無線LAN)でアンドロイドのスマートフォンと接続し専用のアプリケーションを介して利用を行う。実際にサードパーティがアプリケーションの開発などを行い、ソフトウェアの開発などについても、一定のフィードバックが行われた。グラスのAPIでは、カード形式の情報を表示する形式が使われたが、同様の形式はAndroid Wearでも採用され、そもそもGoogle Nowがカード形式の情報表示になっているのは、グラスへの表示を行うためだ。グラスのために開発された技術は、すでにアンドロイドへと組み込まれているともいえる。