最も強くブルーライトを発しているのはスマートフォン
――では、どのような物からブルーライトは出ているのですか?
渡辺:様々なデバイスのディスプレイを並べて、光度計を使いブルーライトの量などを計ったのですが、最も強く出ていたのがスマホだったんです。
井上:ブルーライトはそもそも朝日に強く含まれている光で、生体的には覚醒をおこします。つまりいい意味でも悪い意味でも刺激的な光ですから、店頭にスマホが並んでいると、無意識的にディスプレイのブルーライトが強い方が刺激的に写る場合があるんです。そうした光の特性もブルーライトの強いディスプレイが増えた背景と言えます。
――なるほど。ブルーライトは覚醒を誘うんですね。ではブルーライトを浴びた方が良い場合もあるのでしょうか。
井上:先ほどお話した睡眠障害の話と繋がりますが、眠いのに眠っちゃいけないときなんかは効果的ですよ。うとうとしちゃう会議中なんかは、スマホの画面を見ると眠気がなくなります。ただ、ベッドの中で本当に寝る前はやめた方がいいです。
――というと?
井上:端末を操作するときに、PCよりもスマホの方が目の近くで操作しますよね。そうすると遠いよりも目に届く光の強さが強いんですね。近ければ近いほどエネルギーが強いんですよ。寝る前は特に瞳孔も開いていますから、暗い、近い、明るいとブルーライトが強くなる全ての条件で光が目に入ってくるんです。なので目にも悪いですし、眠れなくなりますね。実際に睡眠効率が下がるということもわかっています。