携帯大手3社が提供する高音質な音声通話サービスの「VoLTE」。このVoLTEは何が従来と違うのだろうか。VoLTEと従来の音声通話の利用回線・ネットワークの違いといった視点からVoLTEの特徴に迫ってみよう。
VoLTEの特徴
VoLTEは「Voice over LTE」の略で、LTE通信上で音声通話を実現するための仕組みだ。携帯各社は、ネットワークをLTEに変更することで通信速度などデータ通信のネットワーク強化を図ってきたが、VoLTEによって音声サービスも強化できるようになる。
NTTドコモが2014年5月にVoLTEサービス開始をアナウンスした際の説明スライド。VoLTEの特徴として高音質通話、素早い発着信、高速マルチアクセス(音声とパケットを同時に利用)、ビデオコールをアピール |
こちらはKDDI。高速マルチアクセスが「コンカレント通信」と表現されているが、ドコモと言っていることに違いはない。ドコモのビデオコールに対して、「シンクロ体験」をアピールしている |
もともと、LTE上ではデータ通信しか行えなかった。携帯の音声サービスは普通、回線交換方式を用いるため、IPネットワークで構築されたLTEネットワーク上では利用できない、というのが規格上の制限だったからだ。
そこで、「CSフォールバック」と呼ばれる方法で、音声通話時のみ一時的に3G網の回線交換方式に切り替えることで音声通話を実現していた。