端末ベンダーの動向

端末ベンダーの動向としては、今年の驚きはXiaomiだろう。創業からわずか4年でSamsung、Appleに次ぎ世界3位になった。同社で注目すべきは、端末のスペック、デザイン、価格だけではない。直販モデルとソーシャルメディアを活用したマーケティングだ。6月に創業者のBin Lin氏のスピーチを聞く機会があったが、目指すは「インターネット企業」とのこと。「たとえるならApple、Google、Amazon?」と聞くと、「Amazonが近い」という答えが返ってきた。Xiaomiは今年より国際展開を本格化しており、このモデルが中国外でどう受け入れられるのかが試される。

新しいベンダーの登場と共に、今年は古参ベンダーが消えた年でもあった。Nokiaはデバイスとサービス事業がMicrosoftの下に入り、ハイエンド機種からはNokiaのブランドは消えた。かつてNokiaと激しく戦ったMotorola Mobilityは、GoogleからLenovoに売却された。

2015年を予想するなら、Apple対Samsungの構図は続くが、むしろXiaomiに加えて、Motorolaを飲み込んだLenovo、ブランド戦略を進めているHuaweiなど、中国勢の勢いがさらにスポットを浴びそうだ。もはやこの3社はスマートフォンで大手であり、SamsungやAppleと同様に動向をチェックしておく必要があるだろう。また、これら中国ベンダーの躍進がApple対Samsung競争にどう影響するのか(――誰のシェアを食うのか)が注目される。

スマホは中心だが唯一ではない

スマートフォン業界そのものも、たくさんあるニュースの1つに過ぎなくなった。今年は年始のCESからスマートウォッチなどのウェアラブルが見出しを飾り、年間を通じてスポーツブランドやファッションブランドなど端末ベンダー以外の参入も見られ、雨後の筍状態だ。「GoPro」のような新しいガジェットもあるし、Facebookが吸い込んだOculus VRなどVRヘッドセット分野も急速に発展している。

スマートフォンベンダーではSamsungの「GALAXY Gear」、ソニー「SmartWatch」などがあるが、バッテリー寿命や操作性などまだまだ課題が多い。2015年の最初の注目ポイントは、年始にも登場が見込まれる「Apple Watch」。スマートウォッチ分野でも"Appleマジック"を見せてくれるのかに注目したい。