2014年のスマートフォンを漢字一字で言い表すなら、どんな言葉が当てはまるのか。ここではライターの末岡洋子氏に、今年を象徴する一字を選んでもらい、その理由や所感などを記してもらった。

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2014年のスマートフォンを表現する言葉と聞かれて、成熟、飽和や倦怠などの言葉が浮かんだが、一番適切なのは、集中に対する分散の「散」に思えた。大きなトレンドはなく、次の大きな何かを目指してさまざまな取り組みがあちこちで進行している印象を持つからだ。

iOSとAndroidに代わる選択肢は?

現在のスマートフォンは2007年にAppleが発売した「iPhone」が定義したもので、キーパッドなしの平たい画面、タッチ画面による操作が可能で、アプリストアから好きなアプリを入手できるOSを持つ端末を指す。これを一般に広げたのが、その後に登場した「Android」だ。

スマートフォンといえばこの形状。メーカー名等が目視できなければ機種名を言い当てるのはより一層難しくなった

最初のiPhone登場から7年が経過した現在、世界の成長国の平均的なユーザーはすでに2台目、3台目のスマートフォンを手にしたところだろう。そろそろ飽きてきたのではと思われるが、iPhoneかAndroidに代わる決定的な選択肢はまだない。新しい選択肢をと斬新なUIをしょって発表された「Windows Phone」も、なかなか成果が出ない。2013年に名乗りを上げた新しいOSもまだまだだ。

その一つ、「Firefox OS」は途上国を中心に攻めており、話題の中心ではない。このように、何か新しいものを作らなくては――プラットフォーム側ではどの陣営もそう思っているだろうが、目に見えた結果がないという印象だ。2015年は、AndroidではGoogleの提唱するマテリアルデザインの動向に注目したい。Firefox OSの日本での販売動向も気になるところだ。