Botvacは賢いが、もちろん弱点もある。それはセンサー位置より下の障害物だ。床から8cm程度の高さに位置するセンサーより下にある障害物を認識しない場合が多かった。そのため、床に落ちている服などを回避せず、そのまま吸い込もうとしており、慌てて停止させたことが何度かあった。これはBotvacに限った話ではないが、やはり床に物が多く置かれた部屋や回り込む余裕がない家具の配置の部屋では、効果的な動きができない可能性がある。
段差の乗り越え能力は公称2cmまでとなっているが、じゅうたんや部屋の敷居などの段差は問題なく乗り越える。家具や家電製品の台座などに乗り上げてしまうことがあっても、バックして元に戻るので、"エラーを起こしてそのまま停止"という事態もなかった。
掃除機の吸引性能の指標となる「吸込仕事率」は、スペック表には公開されていない。あくまで直感的な印象としては、一般的なキャニスター型やスティック型の掃除機と同等か、ほんのわずか下回る程度だと感じた。床に落ちた服やソファカバーの端などを巻き込んでしまっていることもあり、ロボット掃除機としては比較的吸引性能が高いのではないだろうか。運転音も非公開だが、一般的な掃除機レベルというのが実感。部品がすれ合うようなガチャガチャした音はせず、モーター音が中心の騒音だ。
メンテナンスは、ダストボックスを外して中のゴミを捨てるだけだが、開ける際はフィルターを外すことになる。中のゴミが飛び散りやすいため、古新聞などを下に敷いて処理をする必要がある。ダストカップ自体はプラスチックなので、そのまま水洗いができて細かい粉じんも簡単にキレイに落とせる。
フィルターは標準フィルターと、0.3μmに対応する高性能フィルターがあり、今回お借りした「Botvac 85」には後者が3個付属する。メーカーでは、1~2ヶ月での交換を推奨しているが、ゴミを捨てる際に毎回ついでに手入れをしてしまえば、それ以上長く使えそうだ。