本体を裏返して構造をチェックすると、"壁際ギリギリ"を目指して設計されたことがすぐにわかる。一般的な円形のロボット掃除機では、吸引部が円の直径部分にあるのが標準的な仕様。これに対し、Botvacは吸引部が進行方向の最前線近く、つまり"D"の直線部分にある。さらに吸引部の横幅は約27.6cmとかなり長い。吸引部の幅が広いため、1回の走行で吸引できる面積が大きくなるのだ。公称では壁際1cmまで接近が可能とのことだが、実際に稼働しているBotvacを見ると、5mm程度まで寄れていそうだ。

<動画>運転開始から初期動作の様子

壁際や家具の足元などのゴミをかき出すサイドブラシも特徴的だ。通常のロボット掃除機は前方の左右両側に装備されていることが多いが、Botvacのサイドブラシは右側1カ所だけで、サイズも小さい。本体上から見ると、ブラシが顔を出すのはわずか1cmほど。「こんなに短くて隅に届くんだろうか?」と最初は疑問に思っていたが、実際に動作させてみると、壁ギリギリまで寄ることができるのでブラシが長い必要はないということがわかった。よくよく考えてみたら、サイドブラシが長すぎると壁ギリギリまで近づくのを邪魔してしまう。

壁際を走行する際は壁ギリギリのところをまっすぐに進む

四角い本体の角がピッタリ収まる

<動画>壁際を掃除する様子

そして、技術面でBotvac最大の特徴となるのが"SLAM(Simultaneous Localization And Mapping)"と呼ばれるセンサー技術だろう。本体上部にあるブルー(モデルによっては緑や紫もある)の部分からレーザーを発信してスキャニングを行い、部屋の形状や家具のレイアウトを把握してマッピングを行うというものだ。Googleの無人カーにも搭載されている技術とのこと。作成されたマップをもとに、障害物の位置など部屋の状況を確認しながら効率的に掃除が行えるので、短時間で動作を終了できるというのがメリットだ。