iPad Air 2は、iPhone 6のCPU「Apple A8」の強化型「A8X」を搭載している。アップルは初代iPad比でCPUの処理速度が12倍、グラフィックは180倍も高速化したと主張しており、iPad AIrと比較しても処理速度が40%、グラフィックは2倍高速化しているという。本当のところはどの程度高速なのか、ベンチマークテストでA7を搭載したiPad Airと比較してみた。
クロック比は8%だが、1コアあたり約24%の性能向上が確認できた。マルチコアでは69%向上だが、これはコア数が増えたため。コアあたりでは13%になる
全体では約40%の性能向上となった。Android陣営と比較すると、Snapdragon 805と同等で、Tegla K1よりは一段落ちるようだが、ゲームなどには十分な性能だろう
どちらのテストでもiPad Airからの性能向上が確認できた。アップルが主張するより数値が低いと思う人もいるだろうが、この結果は各種テストの総合値で、ベンチマーク結果を仔細に見ていけばアップルの主張に近い項目もあるので、概ね問題はないだろう。
体感でもアプリの挙動がかなりキビキビしている。長時間使ってもそれほど高熱が発生しない点も好ましい。これならあと数年は余裕を持って活躍できるだろう。iOS 8.1は古い機種では少々重いので、iPad 2や第3世代iPadを使っている人の更新用としてはうってつけだろう。
注目したいのは「Geekbench 3」の結果だ。このベンチマークアプリはMacやPCにも存在するため、結果を表す数値で両者を直接比較できる。iPad Air 2の「1803/4485」という数値は、Core 2 Duo世代(2007~2009年前後)のMacBook Proや、2012~2013年モデルのMacBook Airを上回る数値。もちろんCPUだけがコンピュータの性能を司るものではないが、部分的にとはいえ、iPad Air 2が少し前のノートPCと同等の処理能力を手にしたというのは事実だ。
これまで、iPadやAndroidタブレットに搭載されるARM系のCPUというと、インテル系CPUよりも消費電力は小さいが、処理能力で大きく劣るというイメージだったが、いつの間にか肩を並べるどころか、場合によっては凌駕する性能を備えてしまったらしい。