PC事業に関しては、Windows XPのサポート終了に伴う需要の反動が影響し、第2四半期以降の落ち込みが激しい。そのなかで、収益確保に向けた取り組みが各社の課題になっている。

【上】東芝は2014年秋冬のPC新製品として、デスクトップPCからノートPCまで11機種23モデルと幅広いラインナップを展開 【下】富士通の塚野英博執行役員常務

東芝は、PC事業の売上高が前年同期並の3,323億円。「PC事業では、構造改革費用として200億円を計上している。第1四半期に続き第2四半期は、構造改革費用を除くといずれも黒字基調であったが、安定的かつ継続的に黒字を確保するために、9月には追加の構造改革を発表。PC事業で構造改革に伴う100億円の営業外損益も計上している」(東芝の前田恵造代表執行役専務)とした上で、「為替の影響もあるが、それよりもオペレーションを改善して新製品をタイミングよく投入し、高い価値を持った段階で売り切ることの方が業績への影響が大きい。BtoBへのシフトを明確化しているが、上期で見てもBtoB事業は10%程度成長しており、PC事業におけるBtoB事業の拡大は着実に進んでいる。この分野では東芝の強みを発揮できると考えている」との見通しを示した。

富士通は、ユビキタスソリューションの売上高が前年同期比7.4%増の5,139億円と伸長。営業利益も前年同期の285億円の赤字から、96億円の黒字に転換した。四半期別にみると、昨年度第4四半期からの黒字を維持し続けている。

そのうち、PCおよび携帯電話の売上高が前年同期比6.0%増の3,457億円となった。PCについては「第1四半期にはWindows XPのサポート終了に伴う買い換え需要が継続していたが、第2四半期は販売が減速した。だが、上期トータルでは国内外とも増収。価格の安定化やコストダウン効果、米ドルに対するユーロ高が進んだことで、欧州拠点での調達部材のコスト低減効果もあり、採算性が改善。2桁(10億円)の黒字になった」(富士通の塚野英博執行役員常務)という。

だが、2014年度通期のPC出荷計画は、7月公表値に比べて30万台減の480万台とし、年間500万台の規模を切ることになる。塚野氏は「下期の厳しい需要動向を反映して下方修正した。PCは下期、2桁でも下の方の赤字だろう」とする。「だが、コンシューマ製品であるだけに振れも大きく、上振れする期待感もある」と、上方修正への含みも持たせた。