そのほか、「触れるブロック」(画像18)など、複数の作品例があり、子どもたちが喜ぶこと必至なので、半年間の展示期間中に壊れないことを祈りたい(触感糸電話の紙コップは持たない可能性が大きそう…)。ブロックもハイテク化させて、何か特定の形状にすると、自動的にその触感が再現されるとか、触感のダウンロードサービスとか、何か新しいサービスができそうである。

画像17(左):「GaTaGo Train」。KMDフォーラムの時とは電車が異なり、オリジナルっぽいが、どうせならすぐ横を走る「ゆりかもめ」っぽくしてみるのもありだったかも。画像18(右):「触れるブロック」。筆者も幼少時はブロックでいろいろと組み立てて遊んだものだが、振動とサウンドのダウンロードサービスができれば、新しいビジネスになるような気がするのだが、いかがなものだろうか?

動画
動画3。GaTaGo Train。今回は、舘博士がコンテンツを紹介して回ってくれた

同キットを利用したコーナーの中には、半分独立した形のコンテンツが2つほどあった。こちらは特に公式なコンテンツ名はつけられていないようだが、舘博士自らが説明してくれた際に「触感(の)虫眼鏡」(画像19)と呼んでいたので、そのまま利用したい。触感虫眼鏡はどういうものかというと、中央部分に手のひらを置いて、タッチペンで周辺にあるさまざまな素材をなぞると、その振動が拡大されて置いた手のひらに伝わってくるというもので、触感を拡大して感じさせてくれる虫眼鏡的な内容というわけである。素材は、木材やブロック、皮、カーペット、コルク、スポンジなど、多数があった。

さらに、同キットをモニタと組み合わせ、さまざまな触感で絵を描いたり文字を書いたりできるようにしたのが「触感デジタルお絵かき」(画像20)。こちらは舘博士も特にそれっぽいコンテンツ名を挙げていなかったので、筆者の仮称である。触感デジタルお絵かきは、レンガ、段ボール、芝生、ペンキ、麻布、鉛筆、そして水の7種類で描くことができ、それで描いたところをなぞると、ちゃんとその感触がするというわけだ。また、中にはペンキのように描こうとすると粘性が高くて文字などは書きにくい感じも再現されていたりする。

さらに水に関しては、このコンテンツで描くのに使う専用のタッチペンの持つ部分に金属板が張ってあって温度がコントロールされていて、水のひやりとした感触もあったりもする(画像21)。触感デジタルお絵かきというと子ども向けだが、これは服飾のデザインなどにも応用可能だ。セットされている素材を皮だとか綿だとかナイロンだとか服飾用の素材に変更して、それで服のデザインを行えば、ビジュアル的なイメージに加えて触感も伝えられるというわけだ。

そのほか、テクタイル・ツールキットとは別物なのだが、触感系で「フィッシュボーン触錯覚」も展示されていた(画像22)。魚の骨をデフォルメした図柄のオブジェで、平らなはずなのにボコボコしているような、触感が錯覚を起こしてしまう不思議な感覚を味わえる。あなたもぜひ触って体験してみてほしい。

画像19(左):触感虫眼鏡。素材の触感を拡大して伝えてくれる。画像20(右):触感デジタルお絵かき。さまざまな素材で絵を描いたり、文字を書いたりできる

画像21(左):触感デジタルお絵かきのタッチペン。ペン先の持ち手の辺りに銅が貼り付けられているが、ここがひんやりとするので水の感じがする。画像22(右):フィッシュボーン触錯覚。触る方向で平に感じたり、デコボコしていたり。なぜ?