VAIO株式会社が、10月4日(米国時間)から米ロサンゼルスで開催されたAdobe MAX 2014において、同社ブランド初となるオリジナルタブレットPC「VAIO Prototype Tablet PC」を初めて展示した。
VAIO商品企画担当ダイレクターの伊藤好文氏は、「予想以上の手応えを感じた。商品化に向けて大きな一歩を踏み出すことができる反応だった」と、Adobe MAX 2014での成果を語る。そして、「ここからの発信を通じて、VAIOが目指す『本質+α』の意味が、多くの方々に伝わったのではないか」とも語る。Adobe MAX 2014の成果を伊藤ダイレクターに聞いた。
初公開されたVAIO Prototype Tablet PC
「このディスプレイはすばらしい!」――。Adobe MAX 2014のVAIOブースを訪れたクリエイターたちは、VAIO Prototype Tablet PCを実際に触って、次々と驚きの声をあげた。
Adobe MAX 2014は、全世界から最先端のクリエイターが集う一大イベントだ。VAIOはこれにあわせて、同社初となるVAIOブランドのオリジナル製品「VAIO Prototype Tablet PC」を初めて公開してみせた。
名称のようにあくまでも試作品であり、このまま商品化するものではない。だが、クリエイター向けの一点突破の商品として位置づけるこの試作品を最先端のクリエイターたちに公開することで、意見を収集。最終商品へと反映するのが狙いだ。そして、この取り組みは、ソニー時代にはなかった新たな商品づくりの手法だともいえる。
Adobe MAX 2014は、10月4日から、PhotoShopの伝道師といわれるラッセル・ブラウン氏によるプレカンファレンスで幕を開けた。2日間に渡る計13時間にも及ぶセミナーで、ブラウン氏から直接、最新の技術や製品、そしてさまざまな手法が、紹介されることになる。
プレカンファレンスの初日、ブラウン氏のセミナーのなかで、VAIO Prototype Tablet PCが初めて公開された。セミナーでは、VAIOの伊藤好文ダイレクターが壇上にあがり、VAIO Prototype Tablet PCの特徴を紹介してみせた。
続いて6日から開始されたカンファレンスにおいては、展示会場を併設。6日午前11時からオープンした展示会場のVAIOブースでは、3台のVAIO Prototype Tablet PCを3日間に渡って実際に触れる形で展示してみせたほか、PhotoShopのアーティストとして著名なレイス・バード氏が、VAIOブースでVAIO Prototype Tablet PCとZBrushを用い、即興でイラストを描いてみせるというデモストレーションも行った。
「ブースを訪れたクリエイターのなかには、VAIOが独立した会社になったことに驚いた人もいたが」と伊藤ダイレクターは苦笑しながら、「多くのクリエイターがVAIO Prototype Tablet PCの機能や性能について驚きの声をあげていた。2013年5月に開催されたAdobe MAX 2013では、ソニーとしてVAIO Duo 11を展示し、タブレットの可能性を提案したが、今回の展示ではそれ以上の手応えを感じた」と語る。