米Appleは10月20日(米国時間)、モバイルペイメントサービス「Apple Pay」の提供を開始したが、同サービスは国外でも使えることが確認されている。ここでは、そこから見えてくること、そして、日本でのサービス展開について考える。

オーストラリアやUAEからの報告

Apple Payでのローンチ以降、興味深い報告がいくつか上がってきている。MacRumorsの「Apple Pay Shown to Work Internationally Using U.S.-Based Credit Cards」やApple Insiderの「Apple Pay already works internationally, but only with US credit cards」という記事のタイトルをみればわかるように、Apple Payは米国外でも利用可能なことが確認できている。完全ではないものの、すでにオーストラリアやアラブ首長国連邦(UAE)では互換性が確認されているなど、特に米国限定のサービスではない。ロンドン地下鉄で1ペンスの引き落としが確認できたケースも報告されていたりする

関係者の分析と筆者の推測を合わせれば、ここから推察されるのは、Apple Payそのものは既存のNFC決済インフラをそのまま利用しただけで、特にApple用に特別の決済システムを構築したわけではないということだ。

現在Apple Payについて公式にわかっているのは、決済対応金融機関は米国内の500銀行で、決済ネットワーク間の通信にトークン化を用いるという点くらいだが、ローンチ時にいきなり22万カ所の対応が可能というのも、すでにある決済インフラをそのまま用いたことが大きいと考える。このほか、Appleは銀行から直に決済手数料を徴収するモデルを採用しWal-MartやBest Buyなど一部大手小売店はApple Pay対応計画そのものがないというあたりだろう

10月現在で米国内のApple Pay対応金融機関は500。この数は全米金融機関の1割程度だが、都市部を中心に多くの需要をカバーしていると考える