――1stシーズンは3カ月に1枚ずつというペースで4枚リリースされましたが、けっこう大変だったのではないですか?

花澤「レコーディング自体はものすごく楽しかったですし、1stシーズンについては着地点が最初から見えている状態だったので、もう頑張るだけでしたね」

――そしてその集大成ともいえる1stアルバム「claire」についてはいかがですか?

花澤「シングルと並行しての作業で、しかもたくさんの作家の方からいろいろなディレクションを受けるので、とっても充実したレコーディングでした。なので、収録の後半は、こんな素敵な日々がもう終わってしまうのかと、すごく残念に思う気持ちがありました。でも、あらためて出来上がったものが世に出て、いろいろな人から『アルバム良かったよ』と言っていただいて、すばらしいものができたんだと客観的に感じることができて幸せでした」

――怒涛のリリースラッシュだった1stシーズンと比べて2ndシーズンはやや期間が空いて、ゆったりとしたスタートでした

花澤「そうですね。ただその空いた期間に"RO-KYU-BU!"というユニットで歌って踊って(笑)。なので、ライブや歌うことから離れていたわけではないですし、次はどういう展開でいこうという話もしていたので、特に不安に思うこともなく、ただ感覚だけは忘れないようにしながら過していました」

――2ndシーズンでは25曲入りのアルバム「25」をリリースされていますが、その制作も楽しい時間だったのでは?

花澤「私自身はすごく楽しかったんですけど、とにかく25曲というのは本当に大変なことなんだって、スタッフさんや北川さんを見ていて、痛いほど思い知りました。その期間、シングルも同時にやっていたので、全27曲で、全部オリジナル。私は歌録りのスケジュールだけなんですけど、北川さんや周りのスタッフはずっと、本当に毎日作業をしていただいていたわけですから。でも、それをストレスと感じることなく、すごく熱意を持ってやっていただいているのがわかったので、私も頑張るぞって感じで楽しくやらせてもらいました」

――そしてついに3rdシーズンとなるわけですが、その前にライブ活動についてもお聞かせいただけますか?

花澤「1stシーズンの『claire』のライブのときは2回だけだったのですが、ものすごく緊張してしまって……。これまでに歌ったことがないビックリするくらいの曲数で、演出もいろいろあって、それを間違えないようにしなきゃいけないし、ステージの上の私をみんなが観てる。でも、いろいろな人に支えられていることが実感できて、2回目のライブの最後には、緊張からも少し解き放たれた感じですごく楽しくなってきたんですよ。だから、せっかく楽しいという感覚がつかめそうなのに、もう終わってしまうのかと思うとすごく残念で(笑)。なので、ライブの後、もっとライブをやりたいです! とみんなに伝えたのを覚えています」

――2ndシーズンのライブはいかがでしたか?

花澤「『claire』のライブの後、シングルのライブや、"かなまつり"という"ひなまつり"にかけた女子会のようなイベントをやったんですよ。そのとき、北川さんのギターと華さん(末永華子)のピアノと私の3人編成でのアコースティックライブをやらせていただいたんですけど、音数の少ないライブは初めてで、すごく楽しかった。3人のコミュニケーションで歌うのも面白いなって。そんなことを考えながら、次のライブに向けてのワクワク感がどんどん募っていきました」

――2ndシーズンのライブは4公演ですね

花澤「最初はやっぱり緊張しました(笑)」

――ちなみに普段のイベントなどでもステージに立つときは緊張しますか?

花澤「全然しないです(笑)。もちろん要所要所でピリッとするときはありますが、あそこまでガチガチに緊張することはなかなかないですね。ちょっと不思議な感じです。ただ、『claire』のときほどは緊張しませんでしたけど」

――心地よい緊張感とでもいいましょうか?

花澤「そうですね。今回は『25』ということで、25曲以上歌ったんですけど、意外といけるなって(笑)。4公演やってみて、4カ所それぞれ雰囲気がまったく違う。お客さんのノリも違うし、会場の響き方も違う。やっぱりライブは生ものだなって。大阪公演では、風船が空からステージに降ってくる演出があったんですけど、それがふわっとじゃなくて、ドボドボって落ちてきたり……そんなハプニングも面白いなって思いました。とにかく、ツアー自体がすごく新鮮だったので、終わった後は、もっともっといろいろなところに行きたいなって思いました」