実機を見てまず目に飛び込んできたのは、幅1mmという超狭額ベゼル。2台のEV2455/EV2450を並べて少し遠目から見ると、境界のベゼル幅は皆無に近い。ただし、液晶パネルの構造上、画面の周囲に非表示エリアが存在するため、実用上(見た目)のベゼル幅はEV2455が6.2mm、EV2450が5.5mmとなる。

1mmベゼルのEV2455/EV2450はマルチモニタにぴったり。実際に画面を表示すると、非表示エリアがあるので完全なフレームレスとはならないが、それでも境界の黒い部分は1cmちょっとしかない

1mmのベゼル幅だけでなく、非表示エリアを含めたフレーム幅を従来モデル比で60%スリム化した

画面の縦回転(ピボット)にも対応し、それだけなら同様の製品はいくらでもあるが、EV2455/EV2450はちょっと違う。右回転と左回転が可能なので、縦画面×2台のデュアルモニタでも、2台の境界がほぼぴったりくっつく。これはなかなか珍しく、そして便利な仕様だ。

ピボット機能の左右回転に対応した製品が少ないのは、放熱の理由が大きい。液晶パネルはけっこうな熱を発するため、基本的に液晶ディスプレイは、上方向へ廃熱されるように設計されている。左右回転を持たせようとすると、どちらに回した状態でもきちんと廃熱しなければならないので、設計が難しくなるのだ。今回のEV2455/EV2450でも、開発陣はかなり苦労したという。

左右方向に縦回転することで、縦画面のデュアルモニタも快適(写真左)。上下さかさまでの設置も許容されているため、上下配置のデュアルモニタでも画面の境界を狭くできて見やすい(写真右)

EV2455/EV2450はVESAマウント100mmに対応しており、画面の上下をさかさまにした状態での使用もOKだ(上図)。横画面のEV2455/EV2450を3台並べて設置し、その上にもう3台をさかさまに配置するという、横3台×縦2台の6面モニタが1つの活用例として提案されている。この場合も、各画面の境界を1mmベゼルで統一できるのがポイントだ。液晶パネルは広視野角(上下左右178度)のIPSパネルなので、自分を囲むように角度を付けて設置したマルチモニタ環境でも、良好な視認性が保たれる。

マルチモニタのために、PCからEV2455/EV2450をコントロールするユーティリティソフト「Screen Manager Pro」にも便利な機能を実装した。1台のEV2455/EV2450を設定するだけで、マルチモニタを構築する他のEV2455/EV2450へと同じ設定を反映できる。画面モードや輝度、色温度などをまとめて統一することが可能だ。ただしこの機能は、現時点ではEV2455/EV2450のみ対応となる。

専用ソフト「Screen Manager Pro」によって、マルチモニタを構成する複数台のEV2455/EV2450を、1回の操作で設定を統一できる

デザインコンセプトは「FUSION」(融合)。フレームレスデザインとともに、本体部分がかなり薄型化された

「ノイズレス」という考え方。設定に使うボタン類はタッチ式の採用で段差をなくし、ボタン機能の印字も省いた。各ボタンをタッチすると、画面上にOSDでボタン機能が表示される。操作性は一般的なOSDおよびボタン類と変わらない